ミズーリ州カークスビルの地方空港に最終進入を開始したコーポレート航空5966便が暑い雲に覆われた森の梢に墜落。双発のターボプロップ機は滑走路までわずか1マイルのところで炎に包まれ、焼けただれた残骸からは手がかりがほとんど得られなかった。調査チームは機械的トラブルを否定したが、やがてコックピットで交わされたパイロットのくだけすぎた会話から、この大災害を引き起こした可能性のある要因が見つかるのであった。
インディペンデント航空1851便はイタリアからドミニカ共和国へ向かう途中、ポルトガル領のアソーレス諸島サンタマリア島に寄港し給油をする予定だった。しかし空港の手前数分のところまで降りてきたボーイング707は、なぜか島の最高峰に墜落してしまう。機械的な故障は見つからず、国際的な調査チームは困惑する。だがボイス・レコーダーの音声には144人の乗員乗客を死に至らしめた雪崩のようなミスが記録されていたのであった。
大阪に向けて東京を離陸した日本航空123便は静岡上空で2度の爆発に見舞われ、パイロットは操縦不能となったボーイング747型機をなんとか飛ばし続けて羽田に戻ろうと奮闘する。しかし努力も空しく群馬県の山に激突し、単独航空機の事故としては史上最大の犠牲者を出す大惨事となった。調査チームは当初過激派によるテロ攻撃を疑うが、残骸の中から破裂した後部圧力隔壁が見つかり世界中の全747型機が運行停止という事態に直面する。
双発ターボプロップ機のPNG航空1600便は、パプアニューギニア国内を飛行中に両エンジンが爆発して壊れてしまう。パイロットはグライダーと化した旅客機を不時着せざるを得なくなる。当初は川の河口部への不時着水を企図したが、障害物があり河岸に不時着しほぼ全員が死亡した。調査官たちは左右のエンジンの状態が違うことに困惑するが、推力レバーが誤操作しやすく、飛行中に着陸モードに入る危険性があることを突き止める。
カザフスタンのエア・アスタナがポルトガルで行わせていた双発のエンブラエル機の整備が終わり、受領飛行のため1388便として離陸した。ところがその直後制御不能になり、都市の上空で迷走飛行を続けたため機長は海への不時着水を決断することになる。1時間以上奮闘した後、ついに機体に潜んでいた致命的な欠陥が原因であることを突き止め、操縦法を学びながら2機のF16戦闘機の支援も受けて空軍の飛行場に着陸させることができた。
ヒマラヤ上空を飛行中の四川航空8633便でコックピットの窓に亀裂が入った。原因と対策を検討しようとする矢先に突然破裂してガラスが吹き飛んでしまった。機内では激しい減圧が起き、副操縦士は体の半分を機外に吸い出される。機長は機外に吹き出す強烈な風、零下数十度の極低温に酸素不足と戦いながらなんとか機体を立て直してヒマラヤを回避して空港に着陸する。一体何が悪かったのか。事故調査チームに原因究明の期待がかかる。
イギリス有数の会社のCEOとその家族が年末のオーストラリア旅行を楽しみ、入江の高級リゾートからシドニーに帰るために水上機に乗り込んだ。しかし離陸して間もなく、単発の小型機はエルサレム湾に急降下して墜落する。引き揚げられた機体にもパイロットにも異常は見つからない。調査は困難を極め原因未確定のまま終結しようとしたその時、報告書の査読をきっかけに残骸から致命的な結末を引き起こした些細な整備不良が発見される。
ブルガリアのバルカン・ブルガリア航空013便が首都ソフィアから黒海のリゾート地ヴァルナに向け夜間飛行中、ハイジャック犯に人質を取られてウィーン行きを要求される。ウィーンへは遠回りになるがそれだけの燃料は積んでいない。乗組員たちは治安当局の指示により、犯人たちにはウィーンに向かっていると思わせながら予定通りヴァルナに向かう事になる。だがどうやって海岸の小都市をドナウ河畔の大都市のように見せられるだろうか。
通販サイト「Amazon」と契約した貨物機、アトラス航空3591便がヒューストンへの最終着陸態勢に入ったあと急降下してトリニティ湾の湿地に墜落する。状況や監視カメラの映像から高速で衝突したと分かるが、調査の結果期待にはなんの故障も見いだせなかった。しかしブラックボックスを丹念に確認した調査官たちは、パイロットとして不適格な性格と操縦能力の低さを誤魔化して航空会社に入社した副操縦士が墜落させてしまったと理解する。
パリからカイロに向かうエジプト航空804便が地中海に墜落。エジプトとフランスの合同調査で機内火災を示唆する証拠を得るが、エジプト政府は一転してテロによる爆破事故と発表し調査は国家保安検察庁に渡る。フランス航空事故調査局は火災説を追うが決定的証拠は無かった。フランスでは司法当局が専門家に調査を依頼した6年後、イタリアの航空記者がその調査結果を入手。新説として発表するが、それは厳しい論議を呼ぶものだった。