世界で最も広大な国ロシアの北東部に位置するカムチャツカ半島。環太平洋火山帯の一角を占めるこの半島には変化に富んだ自然環境が存在するため、珍しい野生動物の宝庫となっている。寒さに適応したクズリやイイズナが雪山を駆けまわり、豊かな海ではトドやザトウクジラが狩りに励む。またカムチャツカには数多くのヒグマが生息している。ヒグマが心待ちにするサケの遡上も迫力ある映像で紹介。カムチャツカの雄大な大自然に迫る。
ロシアには世界屈指の湖が2つある。古代湖のバイカル湖と世界最大の湖であるカスピ海だ。バイカル湖は、1年の半分ほどの期間凍結する。氷の下では、淡水湖で暮らすアザラシ、バイカルアザラシの子どもが生きる術を学び、湖岸ではヤスデやダンゴムシが小さな世界を作る。一方、世界最大の湖、カスピ海では、オジロワシやジャングルキャットが獲物を狙い、ダイス・スネークが情熱的な求愛行動を繰り広げる。
ほぼ1年中、雪と氷に覆われるシベリア。地球に残された最後の荒野のひとつだ。広大なシベリアには、ツンドラやタイガ、ステップなど変化に富んだ自然が存在する。1年の大半が氷に閉ざされるツンドラでは、氷河期に現れたジャコウウシや、珍しいキタサンショウウオが極寒の冬を生き延びる。タイガでは、オオヤマネコやオオカミが鋭い感覚を生かして狩りに励む。シベリアの凍てつく荒野に暮らす動物たちの生と死のドラマに迫る。
タイガと温帯林が出会う極東ロシアは、知られざる生物多様性のホットスポットだ。この地には豊かな森が広がり、ツキノワグマやトラなど亜熱帯に多く住む生き物が、寒い気候を好むヒグマやニホンジカと隣り合わせで暮らしている。北海道に近い沿海地方には、希少なアムールヒョウやシマフクロウが生息する。変化に富んだ自然の中で力強く生き抜く、極東ロシアの動物たちの姿を追う。