ベトナムで花嫁が中国に誘拐されているという情報を得たマリアナは、現地で街角やベトナム当局、潜入調査員、被害者自身に話を聞く。事態の背景には中国で行われていた一人っ子政策があり、男児の出生割合が高かった半面、女児が少なかったことが挙げられる。そして現在、多くの中国人男性が、妻として迎える女性を探している。調査の結果、誘拐された女性たちは「花嫁」という言葉からかけ離れた扱いを受けていることが判明する。
米国に広まりつつある、新たに台頭した混合麻薬「トランク・ドープ」。フェンタニルと動物用の鎮静剤キシラジンを混ぜた、より危険な麻薬だ。これまで国内のオピオイド危機の取材を続けてきたマリアナは、「東海岸最大の屋外麻薬市場」と呼ばれるケンジントン地区の実態や、メキシコのカルテルの本拠地であるシナロアにある麻薬製造ラボなどを取材する。そして混合麻薬により生まれるオピオイド危機の新たな局面の真相に迫る。
アメリカ国内で薬物やお酒の依存症患者が行方不明になるという事態が多発している。マリアナが行方不明者の家族に話を聞くと、先住民向けの保険制度を狙った詐欺であることが判明。得た情報を元に、患者がいるとされる支援施設に向かうと、営業をしていないはずの建物や高級な豪邸など、本当に依存症からの回復を支援する施設なのかを疑わざるを得ない所ばかり。そして実際の入居者から、想像を超える実態が語られる。
豚殺しという恐ろしい名の詐欺がある。ロマンス詐欺の要領で、最終的に相手から多額の金銭を奪うものだ。ある人身売買の映像を見たマリアナは、それらが撮られたタイ・ミャンマー国境付近、シュエコッコという新興都市に向かい現地調査を始める。そこには豚殺しにかかった人も含め、信じられないほどの人数が建物に収容され、詐欺行為を強いられていたのだ。逃げたり逆らえば殺される、地獄のような場所に潜入する。
ジョージア州の田舎町で、タクシー運転手の女性が残忍な手口で殺された。警察が調べたところ、彼女は裏でカルテルの運び屋としても働いていた。米国の田舎の小さな町にカルテルが存在するのはなぜか?マリアナは米国で勢力を広げつつあるカルテルの真相に迫るため、麻薬密売組織やカルテルに武器を売る密売人、更にはカルテルのため資金洗浄をする人物を取材する。やがてカルテルと米国の法執行機関との意外な関係が見えてくる。