ヒトラーの空の戦いでは、ナチス・ドイツがどのように軍事政策を構築し総力戦を遂行していったかを見ていく。成人の男女はもちろん、子どもまで動員して、かつてない量の航空機や弾薬を製造した。その結果、世界で最も効果的な防空システムの構築に成功し、アメリカ陸軍の第8航空軍を窮地に追い込む。本作ではドイツ空軍の撃墜王ハインツ・クノーケ中尉が画期的な空対空爆撃の戦法を駆使したヒトラーの空の戦いを描いていく。
1940年5月、ナチス・ドイツ軍は英仏海峡にまで到達した。そしてダンケルクの戦いで連合国軍を破ったヒトラーはイギリスへの上陸作戦を決意する。艦船と爆撃機、空挺部隊によってイギリス南部の空軍と陸軍を撃破して侵攻するアシカ作戦だ。だがしかし完全なる勝利を目指すヒトラーは作戦実施に前提条件を付けるのであった。一方、チャーチル率いるイギリスは防空体制を固めていく。チャーチルとヒトラーの正面対決が始まる。
太平洋にきらめく島、ガダルカナル。日本軍はこの島を占領し、飛行場を建設することを決意していた。だがこの島のことは、当然アメリカ軍も注目していた。それはガダルカナルを支配する者はこの海域を支配でき、ひいては太平洋戦争に勝利する可能性が増すからであった。太平洋の制海権を賭けて、アメリカ軍と日本軍のガダルカナル島の攻防戦が始まる。そこは第二次世界大戦でも最も残酷で凄惨な、まさに地獄の島と化していく。
1942年、日本は帝国の未来を確実にするために石油資源が豊富なミャンマーを支配下に置いた。しかしミッドウェー海戦などで海軍力とシーレーンが弱体化し、新しい陸上輸送路が必要になる。そしてインドシナ半島の密林と過酷な地形を抜ける全長412キロの泰面連接鉄道の建設が始まる。建設に動員されたのは日本兵のほかに連合軍の戦時捕虜と現地採用の労働者などだが、過酷な環境と物資不足のために多くの人が犠牲となった。
北アフリカ攻防戦。このヒトラーの砂漠を巡る戦いはリビアのイタリア軍がイギリスに敗れたことから本格化する。イギリスの攻勢を押し返すために投入された第二次世界大戦で最も有名な将軍の1人、エルヴィン・ロンメル率いるアフリカ軍団は88ミリ高射砲などを駆使してイギリスを限界まで圧迫。戦争の行方を決めるべく苛烈な作戦を敢行し、チュニジア、リビア、エジプトなどを押さえた。しかしイギリス軍の反撃が始まるのであった。
アフリカ軍団の降伏も決定的となり連合軍の次の目標はイタリアだと予想。ドイツは連合軍の上陸地をシチリアだと見ていたが、その目を欺くため連合軍のスパイが死体に虚偽の書類を仕掛ける。これが第二次世界大戦最大の謀略戦、ミンスミート作戦の始まりだった。ドイツ軍の注意をよそに向け、不意を衝いてシチリア侵攻ができるのか。孤立したドイツ軍は島の険しい地形を巧みに利用してイタリア本土への撤退戦を奮闘するのであった。