第二次世界大戦中、ヒトラーは各地の拠点に巨大な防御施設を建設させた。別荘のあった山岳地オーバーザルツベルク、ヒトラーの専用列車が通る一帯、ベルギー国境近くやポーランドの町にあった総統大本営の周辺、ソ連軍への最後の抵抗の地となったベルリン。そこには連合軍の攻撃を恐れたヒトラーが身の安全を守るため様々なブンカーやトンネルを造らせていた。専門家たちが各地を訪れ、巨大施設の跡を紹介する。
東への領土拡大を計画するヒトラーは、西のフランスとの国境沿いに「ジークフリート線」を築かせる。だがポーランド侵攻後、西へ転じてフランスを制圧すると、ジークフリート線は不要になる。ドイツは上陸作戦に備え新たに「大西洋の壁」を構築するが、やがて運命の日、Dデーを迎える。再びジークフリート線が西方の前線となり激戦地となる。また、ヒトラーはソ連軍のベルリン侵攻を阻止するための防衛線も築く。
ナチス・ドイツの強みの一つは高い技術力であり、それを駆使してヒトラーは多くの革新的な兵器をつくらせた。まずは潜水艦。大戦末期、ドイツはあらゆる面で新しい潜水艦を開発した。さらに戦車。他国の戦車を蹴散らすため常識をはるかに超える巨大戦車をつくった。そしてジェット戦闘機。戦局を一変させる驚異の新兵器として戦場に投入された。戦後の科学技術にも大きな影響を与えたナチスの兵器を紹介する。
ナチスは液体燃料ロケットの兵器としての可能性に目をつけ、その開発者のフォン・ブラウンを支援した。フォン・ブラウンは世界初の弾道ミサイルの完成を目指す。一方、無人航空機の開発者ゴスラウは、これに安価なエンジンを組み合わせた飛行爆弾も開発。やがてドイツが空襲を受けるようになると、飛行爆弾と弾道ミサイルはイギリスへの報復兵器として選ばれた。各地に残る実験場やミサイル発射基地などを紹介する。