ナショナル ジオグラフィック

衝撃の瞬間 5

原題: Seconds from Disaster 5
衝撃の瞬間 5の写真

番組内容

歴史に残る大惨事の一部始終を振り返る。
世界最悪の惨事を再現し検証する「衝撃の瞬間」がナショナル ジオグラフィックに戻ってきた。再現された主要な目撃者や生還者の証言のほか、保管文書やフォトリアリスティックなCGによって、大惨事が起きるまでの混乱やパニックが明らかになる。真珠湾攻撃、パディントン駅での列車事故のほか、ボパールで起きた世界最悪の工場事故に迫る。当時の捜査員といった専門家たちが、原因究明の紆余曲折を再現。重要な手掛かりとなる証拠を分析し、危険な大惨事の一連の事象を解析する。

■60分×12話

エピソード

「 9.11 (原題: 9/11)  」

9.11 (原題: 9/11) の写真

2001年9月11日の火曜日、アメリカ東部の穏やかでほとんど雲のない朝のこと。仕事に向かう準備をしていた数百万人の人々の中に、マサチューセッツ州ボストンに住む航空管制官がいた。その日彼は、大惨事が迫りつつあることをレーダー画面から直感的に察知、規定の手順を一切無視して米軍に警告を出す。北東防空セクターの司令官であるボブ・マー米軍大佐は、最悪の事態を避けるべく対策を講じるが、困難を極めるオペレーションに投入されたのは、F-15戦闘機たった2機だった。他方、ボックスカッターのみで武装した19人の男たちは、レーダーをかいくぐって世界貿易センター、米国防総省、そしてペンシルバニアの平原へと飛行機で向かっていた。このエピソードでは、事件において重要な役割を果たした2つの拠点、航空管制室とアメリカ空軍に焦点を当て、真珠湾以来アメリカ本土に対する最大の攻撃となった大惨事の全容と、安全保障面の欠陥を逐一検証していく。番組ではボブ・マー米軍大佐やデイブ・ボッティリイア航空管制官のほか、アメリカ上空の全航空機に緊急着陸を指示した航空管制室の責任者ベン・スライニーや、大統領が管轄する調査委員会の上級諮問員ジョン・ファーマーによる衝撃の証言を紹介。"事件当日、9.11を防ぐ手立てはあったのか"という問いに対する答えを探っていく。

「 福島第一原発 (原題: Fukushima) 」

福島第一原発 (原題: Fukushima) の写真

2011年3月11日、日本は史上最大級の巨大地震に見舞われ、高さ14メートルの津波が福島第一原子力発電所に押し寄せた。津波で電源は失われ、最も重要な冷却システムが停止。電力供給が絶たれたことにより技術者たちはメルトダウンに直面する。原子炉は過熱状態となり、2度の大爆発が発生。発電所は破壊され、放射性物質を外部にまき散らすことになった。日本がチェルノブイリ以後、最悪といえる核の非常事態に瀕している今、ある世界的な原子力の権威が福島で何が起こったかを徹底的に調査し、策があったとすれば、その最悪の事態を防ぐためには何をすべきであったのかを探る。

「 真珠湾攻撃 (原題: Pearl Harbor) 」

真珠湾攻撃 (原題: Pearl Harbor) の写真

1941年のある静かな日曜日の朝、アメリカ海軍の太平洋艦隊は、戦火のあがるヨーロッパから遠く離れた楽園ハワイに穏やかに停泊していた。しかしその静けさは、日本帝国海軍の機動部隊の攻撃によって突如破られる。不意をついた日本軍の攻撃で数千人が命を落とし、アメリカ海軍の戦艦が破壊された。アメリカ海軍にとって不名誉とされるこの日は、歴史上最も成功した先制攻撃とされ、アメリカにとっては悲劇といわれる。しかし実際はどうだったのか?番組では歴史に残るこの大きな出来事を新しい視点で考察、勝利を狙う日本軍に致命的な打撃を実際に与えたかどうかを調べる。

「 アルプスでの衝突 (原題: Alpine Collision) 」

アルプスでの衝突 (原題: Alpine Collision)の写真

1998年2月、アメリカ海兵隊のプラウラー電子戦機はいつもの訓練を行うため、イタリアのアルプス山脈へ向かった。しかし訓練の最終行程で、戦機の右翼がスキー客を乗せたロープウエーのケーブルを切断してしまう。ロープウエーのゴンドラは上空100m以上の高さから谷底へと落下し、乗客20名が犠牲となった。戦機自体も深刻なダメージを負ったが、約90キロ離れた基地へと生還。番組では事故が起きた原因とその影響を探究する。また当時の捜査員や遺族の証言のほか、現在も悲劇に悩む乗組員から話を聞く。

「 パディントン駅の列車事故 (原題: Paddington Rail Disaster) 」

パディントン駅の列車事故 (原題: Paddington Rail Disaster)の写真

1999年10月5日、朝の通勤ラッシュ時にパディントン駅を出発した列車が、走行してきた列車と衝突する事故が起きた。衝突時の2本の列車の速度合計は時速209キロ。20メートルもの火花が上がるほどの衝撃により車両は大破し、乗客29名と運転士2名が犠牲となった。さらに数百名の乗客が負傷し、めちゃくちゃになった車両に閉じ込められた。当時の捜査責任者たちは、なぜ両列車が同じ線路を走行したのか、なぜ自動列車警報装置や制御装置がイギリス史上最悪となる列車事故を防げなかったのかを分析し再現していく。事故の状況を再現する過程で、回避可能だった最悪の列車事故を起こしかねないニアミスが過去にもあったという驚くべき事実が明らかになる。

「 上空での大惨事 (原題: Death In Mid-Air) 」

上空での大惨事 (原題: Death In Mid-Air)の写真

モスクワ発バルセロナ行きのバシキール航空に乗った45人の児童にとって、試験合格の褒美の思い出に残る旅になるはずだった。しかし離陸後2時間半以上が経った時、子どもたちを乗せたこのTu-154型機が、ドイツのバーデン・ビュルテンベルク州にある小さな湖畔の町の上空でボーイング757型の貨物便と衝突。両機の乗員乗客全員が悲惨な死を遂げる大惨事が起きた。両機とも航空機衝突防止装置を搭載しており、チューリッヒの航空管制下にあったにも関わらず、なぜこのような事故が起きてしまったのだろうか。番組では事故に至るまでの経緯に迫り、世界に衝撃を与え、その後も人の命を奪い続けることになった悲劇の引き金となった最悪のミスを調査する。

「 ボパールの化学工場事故 (原題: Bhopal) 」

ボパールの化学工場事故 (原題: Bhopal)の写真

1984年12月3日。夜を迎えたインドの賑やかな都市ボパール。100万人近い人口には、スラム街に住む工場労働者たちも多い。彼らは料理を作り、夕食を食べ、就寝の準備をしていた。この数時間に有毒ガスが街を覆い3000人以上の犠牲者を出すことになる事故の兆候に気付く者はほとんどいなかった。事故を起こした工場では、殺虫剤“セヴィン”を作るために、毒性の高いイソシアン酸メチルが使われていた。吸引した場合、呼吸器系に重大な損傷を与え呼吸困難により窒息に至ることもある。数年に及ぶ捜査と分析の結果、工場の専門家や従業員、生存者が12月のあの夜に何が起きたのかを証言をし、史上最悪となった人為的ミスによる工場事故が起きた経緯に迫る。

「 ビスマルク艦船の運命 (原題: The Bismarck) 」

ビスマルク艦船の運命 (原題: The Bismarck)の写真

ドイツ軍のビスマルク戦艦とイギリス海軍との闘いは、第二次世界大戦において重要な出来事だった。ビスマルク艦船がイギリス艦隊への攻撃に成功していれば、イギリスは降伏を余技なくされ、英米によるヨーロッパの解放はかなわなかっただろう。ドイツ軍はビスマルク戦艦を失うことでイギリスに打ち破られ、戦争の流れを変える機会も失った。海軍史の専門家アンドリュー・ランバートがこの有名な海の戦いを掘り下げ、ビスマルク艦船にもたらされた運命の原因に焦点をあてる。ランバートは、ビスマルク艦船の沈没は、両軍のミスが積み重なった結果であり、そして最大の原因はドイツ軍の根本的な戦略にあったと考えている。

「 ダム津波の脅威 (原題: Mountain Tsunami) 」

ダム津波の脅威 (原題: Mountain Tsunami)の写真

1960年、イタリア北部のバイオント峡谷にヨーロッパ最大の堤高を誇るダムが建設された。当時の革新的な水力発電計画だったが、貯水後間もなく山腹の斜面が広範囲にわたって滑り落ち、ダム湖に流れ込んだ。電力会社は、地滑りによって岩盤が高速で水に衝突すると、壊滅的な津波を発生するという可能性を認識しており、貯水レベルを調節することで地滑りを和らげる計画を開発していた。当初3年間は問題が起きなかった。しかし、1963年10月、発生した地滑りが急に加速、F1のレースカー並みの速度で岩盤がダム湖の中に崩れ落ちた。その結果、200メートルの巨大津波を引き起こし、津波はダムの岸壁を超え、下流に洪水を引き起こす大惨事となり、2000人以上の死者を出した。番組では、悲劇を招いた事故の問題点を明らかにし、50年にわたり科学者の関心を集めてきた地滑りのメカニズムに焦点をあてる。

「 カルト集団の悲劇 (原題: Waco Cult) 」

カルト集団の悲劇 (原題: Waco Cult)の写真

1993年2月28日、テキサス州ウェイコで、アルコール・タバコ・火気局(ATF)がカルト宗教団体ブランチ・ダビディアンの建物に突入した。リーダーのデビッド・コルシュを銃火器の不法所持の容疑で逮捕しようとしていた。銃撃戦が勃発し、ATF捜査官4名が死亡、ブランチ・ダビディアン側に6名の死者を出した。その後、FBIに捜査権が委譲されたが、事態は悪化。アメリカ史上最長の立てこもり事件へと発展した。51日のにらみ合いの末、FBIは、早朝に襲撃を開始する。ブランチ・ダビディアンの信者たちを建物から出すために、戦車を使って壁や窓から催涙ガスを投げ入れた。攻撃を受けた信者たちが降伏を拒むと、火災が発生、20分で建物が炎に包まれた。その結果、28人の子供を含む約80人が焼死した。番組では、突然の出火の瞬間に迫るとともに、ブランチ・ダビディアンの信者たちの死が、カリスマ的リーダー、デビッド・コルシュによるものか、またはFBI捜査官によるものかを探っていく。

「 石油掘削基地の爆発炎上 (原題: The Deepwater Horizon) 」

石油掘削基地の爆発炎上 (原題: The Deepwater Horizon)の写真

ディープウォーター・ホライズン石油掘削基地が、メキシコ湾にあるBP社のマコンド油井の試掘を終えた。水深1500メートルの海底にある油井は、4000メートルの深さまで掘り進められた。ディープウォーター・ホライズンが作業を終え、他の掘削基地が石油掘削を開始できるように、作業員が油井が安全に封じ込められているかどうか、安全性テストを行った。テストを通過した数時間後、可燃性ガスと原油が油井から噴出し掘削基地が爆発炎上、11人の関係者が犠牲となった。番組では、この世界最大の原油流出事故で下された一連の判断と、その過ちに焦点をおく。

「 ムンバイの同時多発テロ (原題: Mumbai Massacre) 」

ムンバイの同時多発テロ (原題: Mumbai Massacre)の写真

2008年11月26日午前9時20分、ムンバイの高級ホテルのトライデント・ホテルに数名の武装集団が侵入し、無差別に銃を乱射した。ほぼ同時刻に、アメリカやイスラエルのユダヤ教徒が集う宗教施設、ナリマン・ハウスが標的となる。その後、観光客に人気のレオポルド・カフェや、市内で最高級ホテルのタージ・マハル・パレス&タワー、世界で最も利用客の多いCST駅などが次々と攻撃された。インド人と西洋人観光客を標的にした前例のないテロ攻撃により、166名が命を落とした。番組では、インド最大の都市で、世界に中継される中、テロリスト10人が3日間にわたって意のままに惨殺を繰り返すことができた盲点について明らかにする。

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視聴方法

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