ヘイゼン・オーデルは海の遊牧民、バジャウ族の知恵と技術を使い、5日間の航海に繰り出す。独自の槍とゴーグルを活用し素潜りで魚を獲り、手こぎボートを漕いで進むが、直射日光と湿度が急速に体力を奪う。ボートに積んだヤシの実は貴重なエネルギー源だ。食料調達のため立ち寄ったマングローブで足に切り傷を負うも、代々伝わる知恵を使い、葉の汁を塗り込み対処する。変わりやすい海の天気に苦しめられながらも航海は続く。
今回ヘイゼンが挑むのはダリエンギャップ。パナマのエンベラ族には、青年が単独でジャングルを踏破するという伝統があり、ヘイゼンもその道をたどることに。熱帯雨林には食料や寝床、野生の薬まであるが、人間の命を奪う危険な生物も潜んでいた。思いも寄らないデザートに恵まれたり、予想外の動物に遭遇したりしながら、何日も旅を続ける。時にはいかだを作って川を下り、時には山を登り、傷だらけになりながらも目的地を目指す。
ヘイデンはパプアニューギニアのイマス族の技術を使い、かつて食人文化を持っていた村を目指し川上りの旅へ出る。途中、サゴヤシの幹に潜む幼虫を食べたり、村への手土産としてピラニアの親戚にあたるパクを釣り上げたりしながら、危険な魚やワニが生息する川をカヌーで進む。過去には突然の来訪者を殺すこともあったという村にヘイデンが足を踏み入れると、村人たちは怪訝な表情を見せた。ヘイデンは無事受け入れられるだろうか。
舞台は氷点下40度以下の極寒の地、スカンジナビア半島北部。ヘイゼンはサーミと呼ばれるトナカイ遊牧民の知恵と技術を使い、春の出産シーズンに向けて200頭以上にも及ぶトナカイの群れを春営地に移動させる。雪が積もり全体像の見えない川に落ちる、途中で群れを見失うなどのトラブルも。足の感覚を失うほどの寒さの中、腹を満たすため罠を仕掛けてライチョウを捕まえたり夜にはオーロラに癒やされたりしながら雪上を進む。
ヘイゼンはヒマラヤ山脈の麓に生きる遊牧民の知恵と技術を使い、相棒の馬と共にヤクの群れを連れて食料が豊富なローマンタンへ移動する。標高の高さゆえ紫外線は強く、空気は冷たく薄い。途中、高山病で苦しむヘイゼンが足を滑らせ急勾配を転がり落ちるハプニングも。チベットの医師が彼に処方したのは菌に寄生された幼虫。一行は深い沼地を通り、ユキヒョウやオオカミの潜む標高4700メートル超の山を越え、強い向かい風を突き進む。
ヘイゼンはマサイ族の知恵と技術を使い、神エンカイが住むタンザニア北部の火山へ山羊の肉をお供えする旅に出る。サバンナではゾウやヌーなどの群れ、そしてそれを狙うライオンと遭遇。水分補給をするために寄った川にはカバが、夜は地を這うサソリが出現。マサイ族のナイフと日光を活用した即席のコンパスで目的地までのルートを確認しながら、深い渓谷を通り抜け、灰に覆われた火山の山肌に足をとられながらも山頂を目指す。
ヘイゼンはベルベル人の知恵と技術を使い、マイペースなラクダと共にサハラ砂漠を横断する。突然の砂嵐に襲われただ時が過ぎるのを待つことも。食料は途中で捕まえた巨大トカゲやゴミムシダマシ。深く掘った穴から湧き出した水を汲み水分を確保するも、最高気温約54度にも及ぶ暑さがヘイゼンを襲う。脱水症状で判断力が鈍る中、時に相棒のラクダに翻弄され、サソリなどの危険生物を回避しながら、90キロ先のオアシスを目指す。
ヘイゼンはラオスに生きるラオルームの知恵と技術を使い、メコン川を下った先の釣り場を目指す。水の流れは早く、障害物に衝突しないように竹で作ったイカダを力一杯漕ぎながら進んでいく。食料は水中に潜むカタツムリや、手作りの網で獲ったアリと幼虫。数日かけて釣り場に着くも天気が悪くベストスポットに泳いで近づけず、激流の上にロープを張り綱を渡って近づく。ヘイゼンは無事に魚を釣って村へ届けることができるだろうか。