かつて地中海東部を征服し、「アドリア海の女王」と呼ばれたヴェネツィアは、いかにして一大海洋国家になったのか。14世紀に活躍した軍艦ガレー船を発掘し、ヴェネツィアが誇った絶大な海軍力の秘密に迫る。また沈没した商船から、経済大国として栄えた背景を解き明かし、さらに島で見つかった巨大な墓地から、ヴェネツィアですら勝てなかった敵との苦闘を明らかにする。
ハリウッドで描かれる西部開拓時代の物語はフィクションに過ぎない。高級なシャンパンが大量に積まれ19世紀に沈んだ蒸気船や、リトルビッグホーンの戦いにおけるカスター中佐の死の真相。さらには、ゴーストタウンと化した金鉱の町で明らかとなる社会の発展に貢献した重要な人々の存在から、この時代がいかに映画以上に複雑で多様性に富んでいたかが浮かび上がる。
1920年代から30年代にかけて、アメリカは史上最悪の大不況に陥った。この激動の時代に、いかにしてハリウッドは夢を形作り世界中の人々の心をつかみ、アメリカで最も成功した産業のひとつとして地位を確立したのか。今回は、映画制作にまつわる考古学調査を通じてこの大きな疑問に対する答えを導き出し、これまでとは一味違う驚きのエピソードをお届けする。
熱帯の楽園として知られるグレートバリアリーフは、美しさの裏に危険が潜む。今回、考古学者たちが解明に挑むのは、“オーストラリアのタイタニック”とも呼ばれる豪華客船の沈没にまつわる謎。またリーフの底部に水中ドローンを送り込み、その荒々しい誕生と進化の秘密に迫る。さらには、悪名高き"バウンティ号の反乱"とリーフとのつながりが、沈没した18世紀のイギリスの船から浮かび上がる。
古くより船の活動が盛んだった黒海には、帝国の知られざる歴史の断片をはじめ、過去にまつわる様々な真実や伝説が秘められている。生物のいない最深層には、当時を物語る沈没船が原形をとどめた状態で残っていた。今回は黒海の水を抜いて古代船の正体に迫るほか、海軍の艦隊があっけなく撃破された経緯を解き明かし、さらには海底に眠るヒトラーのUボートを捜し出す。
北米大陸の植民地化が行われ始めた頃から現在に至るまで、ハリケーンは沿岸に甚大な被害をもたらしてきた。その残骸の調査から、北米大陸の歴史にまつわる驚くべき真実が明らかになる。大破された16世紀のスペインの木造船や海底に散乱する革命期の大砲、さらには海に沈んでいる大量の地下鉄車両を通じて、研究者たちはハリケーンが形成したアメリカの過去と、未来に与える影響を解き明かす。
海中で過去最大級の財宝が発見され、世界中で大きく報道された。しかし話題はすぐに、このコード名“ブラックスワン”なる謎の船から見つかった5億ドル相当の財宝の真の所有者が誰なのかに移っていく。国内屈指の貴重な歴史的財宝が発見されたことを恐れたスペイン政府は、オデッセイ社との財宝の所有権争いに踏み切った。両者がフロリダ州タンパの裁判所で闘うにつれて、覆い隠されていた真実が明らかになっていく。
氷河期末期にアメリカ大陸に移住を始めたとされる人類。内陸ルートを通って移動したと考える者もいるが、考古学者たちは現在、沿岸ルートの可能性を調べている。メキシコの洞窟で発見された1万3000年前の人骨は、最古の移住者たちについて我々に何を教えてくれるだろうか。水中洞窟の水を抜き、最新科学の力を用いて、新世界に暮らした初期の人々について、知られざる物語を紐解いていく。