1946年から十数年間にわたりアメリカ軍が行った一連の核実験によって、核の戦場と化した太平洋のビキニ環礁。この実験を機に世界は核時代に突入し、米ソの核軍拡競争は激化していった。ビキニ沖には今も、被爆した潜水艦や空母が沈んでいる。調査チームは最新のソナー技術を駆使して、これらの沈没船を捜し出し、実験当時、放射能汚染の影響でアメリカ軍すら把握できなかった核被害の実態を明らかにする。
紀元前8世紀から紀元前2世紀に、エジプトはナイル川のデルタ地帯に存在したと言い伝えられている港湾都市、ヘラクレイオン。ギリシャの神々とゆかりのある豪壮な神殿を有し、数世紀にわたって国際貿易の中心地として栄えたものの、ある日、こつ然と姿を消した。今回は伝説の真相を検証すべく、当時の史料を基に最新技術を駆使した海底探査を行い、謎多きエジプトの古代都市を捜し出す。
1940年夏、フランスを占領したヒトラーはイギリスへの侵攻を開始する。ナチス・ドイツ軍は本土上陸に先立って精鋭ぞろいの航空艦隊を送り込み、イギリス空軍のせん滅を図るも、敗戦寸前のイギリスを相手に、まさかの大敗を喫する。今回は、戦いのさなかに沈没した軍用機と軍艦を掘り起こし、「ブリテンの戦い」の知られざる真実と、イギリスが土壇場でドイツを撃ち破ることができた秘密に迫る。
バルト海には数えきれないほど大量の船が沈んでいる。中でも特に異彩を放つのは、450年以上前、スウェーデン王エリク14世が、この海域の覇権を巡る戦いに満を持して送り込んだものの、就役からわずか2日後に、こつ然と表舞台を去った重武装艦「マルス号」だ。近年、スウェーデン沖でこの謎に包まれた軍艦が遂に発見された。調査を行った結果、伝説以上に興味深い事実が明らかとなる。
240年前、アメリカ植民地は大英帝国から独立すべく反乱を起こし、世界最強のイギリス海軍を相手に奮闘した。長期にわたる独立戦争で沈んだ両軍の艦艇は今も湖や川に眠っている。今回は、それらの船を調査データと最先端のCG技術を用いて再現し、沈没の原因を明らかにすると共に、驚くべき新たな証拠を基に、絶望的と思われた戦いで、アメリカが奇跡的な逆転勝利を果たした秘密を解き明かす。
19世紀まで行われた大西洋奴隷貿易。およそ4世紀のあいだに奴隷船で"新世界"アメリカに運ばれたアフリカ人は、1200万人を超えると言われている。人身売買された彼らは、奴隷制が廃止されるまで劣悪な環境で労働を強いられた。今回は、海事考古学者や専門家たちとともにアラバマ州のモービル川や五大湖などで当時の奴隷船を捜し出し、その恐るべき実態と、沈没船に秘められた物語を紐解く。
アメリカを分断の危機にまで追い込んだ南北戦争は、内戦でありながら世界を舞台に展開された、史上最も熾烈な戦争のひとつだ。海事考古学者や歴史学者たちは、戦場となった水域に赴き、地中に埋もれた内戦時の沈没船を捜し出す。発見された物証を基に、科学的データとCGを組み合わせて当時の船を復元し、証拠をつなぎ合わせていくと、戦争のルールを書き換えた南北戦争の実態が見えてくる。
世界中で最も海賊とつながりの深いカリブ海には、船や大砲など、海賊の黄金時代を伝える貴重な残骸が眠っている。それらを基に、イギリス生まれの海賊、ヘンリー・モーガンの大胆不敵な襲撃の真相から、悪名高きキッド船長、さらに伝説的な海賊の黒ひげが死に至るまでの過程を解き明かす。スペイン帝国の重要拠点だったカリブ海が、いかにして海賊たちの楽園に変貌を遂げたのか。その秘密が海賊船の調査を通じて明らかになる。
ミシガン湖の水中にはシカゴの歴史を物語る様々な証拠が眠っている。今回は最新のソナー技術を駆使してミシガン湖の底をあらわにし、アメリカ最悪の水難事故の1つとして知られる"クリスマスの悲劇"をはじめ、第二次世界大戦の局面を変えた海軍訓練の実態を明らかにする。驚異的な工学技術と不屈の精神を武器に崩壊の危機を乗り越え、世界屈指の大都市に成長したシカゴ。成功の裏に隠された人々の野心とリスクに迫る。
第二次世界大戦が終結を迎えた1945年は、世界にとって重要な年でありながら謎も多い。今回は終戦までの数カ月間に焦点を絞り、海底に眠る残骸から様々な悲劇の真相に迫る。ナチス・ドイツが同盟国である日本に対して行おうとしていた作戦から、米国海軍を襲った神風特攻隊、そして米国が戦争を勝利で終わらせるべく投入したB29爆撃機まで、水中調査を通じて1945年にまつわる知られざる真実を明らかにする。
