野生の王国にそびえるヒョウの岩山。ここにねぐらを構えているのがヒョウのサバだ。ゾウの群れが雨季の到来を告げる頃、サバは2匹の子供を産んだ。活発な姉と臆病な弟。この性格の違いが2匹の命運を分けることになる。獲物が少なくなる乾季、サバは2匹を残して遠出した。ライバルのヒョウやライオンにリカオン。岩山の下は危険がいっぱいだ。果たして2匹は、過酷な乾季を乗り越え、再び雨季の訪れを目にすることができるだろうか?
リカオンは"パック"と呼ばれる群れを形成し、狩りも子育ても群れのメンバー全員で行う習性を持つ。小柄ながら狩りの成功率は並外れて高く、息の合った攻撃で獲物を確実に仕留めることで知られる。今回登場するのは、大きな群れから分離した、わずか6頭からなる "ペール・パック"。数で勝るライバルや天敵との遭遇は致命的だ。残酷な野生の王国で様々な困難に直面しながら、必死で生き抜こうとする姿を追う。
王国の領土を分け合う2頭のメスライオンがいる。北の大地を支配するサタウと南の大湿原を支配するマツミだ。両者の力関係が崩れたのは、サタウのパートナーであるセケカマがマツミの群れに移った時だった。頼れるオスがいなくなり、サタウの群れは次第に追い詰められていく。飢えに耐え忍ぶ日々が続き、やがて最大のピンチが訪れた。マツミの群れが北の大地に押し寄せてきたのだ。果たしてサタウは、自らの縄張りを守り切れるのか?
湿原を支配するメスライオン、マツミの群れは、無敵のオスライオン、セケカマを迎え入れて以来、圧倒的な強さを誇っていた。だが王国随一の群れは不安を抱えていた。子どもたちは獲物を前にひるみ、一向に狩りが上達しないのだ。そんな中で乾期を迎え、マツミは群れをあとに残し、北に向かった獲物を追う。残された子どもたちは、干上がった湿原で腐肉をあさるしかない。若きライオンたちは、弱肉強食のこの王国で生き残れるのか?
ハイエナのザリカは、自らが率いる群れの力を増強し、王国に革命を起こそうとしている。ライオンのマツミ率いる強大な群れから湿原を奪おうというのだ。だが一筋縄ではいかない。子どもを産み、一人前に育て上げるには、大量の食料が必要だ。他の肉食動物の食べ残しにありつくには、ライバルのリカオンと戦わなければならない。ハイエナがライオンを追い落とすという大番狂わせは、果たして起こるのか?
今回は"残酷の王国"総集編。ライオンの女王マツミが率いる強大な群れ、そのライバルであるサタウの"北の群れ"、単独で狩りと子育てをするヒョウのサバ、そしてザリカが率いるハイエナの群れに、ティマナとマラオの下に結束するリカオンの群れ"ペール・パック"。これまでに登場した5つの勢力が命懸けで繰り広げる壮絶なドラマを、王国全体を俯瞰する視点からお届けする。