1970年代にアメリカへのヘロイン密輸を産業化したマフィアのボス、カーマイン・ギャランテ。異常なまでの冷酷さを持つギャランテは邪魔する者を許さず、シチリアから集めた部下たちに命令を遂行させていた。しかし、カネと権力を求めすぎた結果、他のボスたちの反感を買い、部下からも裏切られ、大きな代償を払うことになってしまう。ニューヨークで繰り広げられた麻薬密輸とマフィアの権力闘争を家族や関係者の証言で描き出す。
レイモンド・“ロング・ジョン”・マルトラーノをご存じだろうか。1980年代のフィラデルフィアで「メス」帝国を築き上げた人物だ。メスとは覚せい剤の一種であるメタンフェタミンの俗称である。このメタンフェタミンの原材料であるフェニルアセトン(P2P)の取引を一手に牛耳ることでマルトラーノは巨万の富を得ることになる。しかし、その地位に登り詰めるまでに採ってきた数々の強引な手法があだとなり、転落することになる。
マフィアの使い走りだったヘンリー・ヒル。家族を養うために禁止されていた麻薬の密売に手を出してしまう。1980年代に逮捕されたことで、一味からは破門され、命を狙われる身に。自分と家族の身を守るため、FBIと司法取引をすることを決める。その結果、幹部を含む多くの仲間が有罪に。ヒルは仲間を売った自責の念と報復への恐怖から、酒と麻薬に溺れていくのだった。映画「グッドフェローズ」のモデルとなった男の真の人生に迫る。
1980年代、ニューヨーク・マフィア、五大ファミリーの一つであるガンビーノ一家のボスを暗殺し、その後釜に座った人物がいた。男の名はジョン・ゴッティ。洒落た服装を好んだゴッティは「ダッパー・ドン (粋な首領)」と呼ばれ、住民から人気を博した。また、数々の犯罪に手を染めながらも捕まらないことから「テフロン・ドン (傷つかない首領)」とも呼ばれた。しかし、FBIの執念の捜査の前に次第に追い詰められていくことになる。
“サミー・ザ・ブル”と呼ばれたサルヴァトーレ・グラヴァーノはガンビーノ一家のアンダーボスとして名を馳せていた。しかし、堅気としての生活を送るために司法取引を行い、ボスを始めとするマフィア38人の断罪に協力した。そんなサミーの子どもがエクスタシーのディーラー仲間に引き入れられてしまう。警察はエクスタシーの取り締まりに乗り出し、証拠を押さえるべく、捜査を強化していく。そして、ついにサミーにも捜査の手が伸びる。
ニック・リズートとヴィト・リズートは親子二代で南北アメリカ大陸にまたがるコカイン帝国を築き上げた。コロンビアのカルテルやカナダのバイクギャングと手を組み、コカインの仕入れ、輸送、販売を支配し、莫大な利益を上げたのだ。その天下はマフィア史上に類を見ないほどに長く続いた。しかし、ヴィトが若手の頃に関わった暗殺事件が数十年の時を経て劇的な展開を見せ、長らく繁栄した帝国は突如として崩壊の兆しを見せ始める。