シッティング・ブルは、先住民たちを率いて米軍の大虐殺を行った偉大なる長と考えられているが、この伝説は事実なのか?リトル・ビッグホーンの戦いを分析すると、その時の勝利はシッティング・ブルの軍事戦略が優れていたためではなく、ラコタ族一人ひとりの戦闘能力が高かったためだと判明した。さらにシッティング・ブルは戦いもしなかったということも分かる。彼は部族の精神的指導者であり、サンダンサーだったのだ。
キャプテン・ウィリアム・キッドは歴史上、最も有名な海賊である。最近では、キッドが不当に裁かれ処刑されたと考える学者が出てきた。1695年、評判のいい船長であったキッドは私掠船の許可を得るが、数年後、最重要指名手配の海賊として名を知られるようになる。彼の裁判では、弁護側の重要な資料がなくなっている。政府の秘密の陰謀によって、無実のキャプテン・キッドが海賊行為と殺人の罪を着せられてしまったのか?
自身の著書である「知恵の七柱」で有名となったアラビアのロレンス。彼を第一次世界大戦の中東で優秀な軍事的能力を見せた人物と見る者もいれば、20世紀最大のウソつきで、ペテン師と見る者もいる。この番組では、1916年から1918年までのアラブの反乱でロレンスが本当にキープレイヤーとなったのか調査する。ヨルダン南部では戦場跡の考古学調査を行い、ロレンスが実際に軍事の天才で、尊敬に値する人物だったのかどうかを検証する。
アレクサンドロス大王は世界の大部分を征服した軍事の天才として世界的に有名である。当時の人々にとって彼はただの将軍ではなく、神だった。死後、その遺体は神聖なものとなった。一般の人から有力な皇帝まで、あらゆる巡礼者が神王の遺体の前でひざまずいた。しかし彼の墓が突然、跡形もなく消えてしまったのだ。ある歴史家の説によると、墓は名前を変えられ、世界有数の壮麗なキリスト教のバシリカとして崇められているという。
偉大な冒険家マルコ・ポーロ。彼は初めて中国に渡ったヨーロッパ人で、財宝や、アイスクリームやパスタのレシピを持ち帰った人物とされている。しかし最近の学者たちによると、マルコ・ポーロがそのような大冒険をしたという証拠があまりにも少ないと言う。マルコ・ポーロという男は実在したのか?もし実在したのであれば、彼は中国に渡ったのか?今回の「あなたの知らない世界史2」ではマルコ・ポーロの伝説に迫る。
ゾロの二重生活やロマンス、そして弱い人々を救うための剣術についての物語は、20世紀に執筆され有名になった。架空のキャラクターとして描かれているが、実在した歴史上の人物に基づいている可能性があるのだ。1640年代にメキシコに住んでいたアイルランド人が基になっているという新たな説も出てきている。この番組では17世紀のスペインの異端審問の記録を調査し、なぜその男がゾロの冒険の基となったのかを検証する。
女教皇ヨハンナの伝説は何世紀にもわたり伝えられてきた。中世の年代記には、実際に女性の教皇が存在したという記述も残っている。彼女は2年以上も教皇位についていたが、ローマで公衆の面前で出産をし、とうとう女であることが劇的にバレてしまう。彼女の存在は中世で信じられ、21世紀にまで伝えられている。しかし本当に女性がローマの司教になれるのか?彼女の足跡をたどり、記録を調査し、女教皇ヨハンナの謎に迫る。
ヒトラーはどのようにしてモンスターとなり、ドイツ国民に対してあのような支配的な権力を持つようになったのだろうか?戦前は方向性もなく放浪していたヒトラー。一体何があって、政治の世界に足を踏み入れたのか?番組ではヒトラーの病歴を検証し、戦時中に前線で戦っていた頃から、軍病院の精神科に入院するまでの足跡を追う。戦争での体験によって、ヒトラーが深刻な精神疾患にかかっていたとみる専門家もいるのだ。
サラディンの名前を聞くと、神話上の人物のような印象を受ける。西暦1136年に生まれた彼は、幸運やカリスマ性、武術の腕を味方に付けて立ち上がり、イスラム国の大部分を統治し、十字軍を撃退し、前代未聞のアラビアの帝国を作り上げた。彼はどのようにして、十字軍を打ち負かす無敵の軍を作り上げたのか?そしてなぜ彼の偉大な伝説がヨーロッパにまで広がったのか?番組では、偉大な軍司令官サラディンの神話のような物語に迫る。
17世紀に完成した謎多きタージ・マハル。妻の死を悲しんだ、皇帝シャー・ジャハーンが、遺骸を埋葬するために建てた建造物だ。伝説の中に、彼がタージ・マハルと同じものを黒大理石で建設するつもりだったという説がある。妻の霊廟が見える場所に建設し、自らの霊廟にするはずだったと言われている。彼は本当にそのような建物を建造するつもりだったのか?考古学的資料や歴史分析を使い、黒いタージ・マハルの伝説の真実を暴く。
キリスト誕生の物語は多くの人々にとってなじみ深い。ヨセフとマリアは、ナザレから故郷ベツレヘムに向かう。宿屋に空きがなく、ヨセフとマリアは馬小屋に宿泊。マリアはそこでイエスを出産した。ユダヤの王ヘロデは、彼の誕生の知らせを受け、すべての男の新生児を殺すよう兵士たちに指示した。番組の調査により、キリスト降誕の大部分が誤った解釈や歴史の混乱、そして民間伝承や伝説によるものだということが明らかになる。
アイザック・ニュートンはかの有名な17世紀の科学者であり数学者。重力を発見した人物としても知られているが、実は、彼は錬金術の研究や型破りな宗教の研究に力を入れていたと考えられている。彼の記述を調査すると、論理的で尊敬されている科学者で、物理学を変えた素晴らしい頭脳の持ち主というイメージが崩れていく。些細なことにもこだわりをみせる彼の性格は、アスペルガー症候群の典型的な症状ではないかという説もある。
エリザベス1世はイングランドの"処女王"。しかし彼女は伝説で描かれているほど純白な人物ではなかった。彼女の寵臣であったレスター伯ロバート・ダドリーと関係があったという噂があるのだ。ダドリーの妻エイミーは階段から落ちて死ぬという、不審な死を遂げる。事故なのか?自殺なのか?それとも殺人なのか?現代の犯罪捜査が長年の謎の解明に挑む。