2001年9月11日の朝、ニューヨークの晴れ渡った空の下で、人々は普通の一日を始めようとしていた。しかし午前8時46分、アメリカン航空11便が世界貿易センタービルの北棟へ突入。さらに十数分後に2機目が南棟に突入し、世界は一変する。ビルにいた人々や、上層階に取り残された人々、駆けつけた消防士たちは、その瞬間に何を見てどう感じたのか。実際の電話や無線の音声を交えながら、丁寧に描き出す。
午前9時3分、ユナイテッド航空175便が世界貿易センタービルの南棟へ突入した。第2話では、1機目が北棟へ突入した直後の午前8時48分から、南棟が崩壊する午前9時59分までを追う。現場では何が起きていたのか。がれきの中で助けを呼びつづけた男性や、70階から階段を下りつづけた女性が自らの壮絶な体験を語る。救助にあたった救急救命士たちは、現場で目にした悲惨な光景と彼らを苦しめるトラウマについて語る。
午前9時37分、アメリカン航空77便が国防総省に突入した。その約20分後の午前9時58分、世界貿易センタービル南棟が崩壊。さらに5分後、ユナイテッド航空93便がペンシルベニア州に墜落する。第3話では、立て続けに起きた出来事とそれに翻弄された人々の様子を描く。国防総省で仕事をしていた海軍大佐や、現場で撮影中だったリポーター、南棟内にいた男性、ハイジャック機の乗客の遺族などが、その瞬間を生々しく語る。
南棟の崩壊により出た大量のがれきが、隣接する世界貿易センター第3ビルを直撃した。ビル内のホテルの宿泊客と消防士は、がれきに埋もれ身動きが取れない。必死に逃げ道を探す彼らに、北棟の崩壊が追い打ちをかける。一方、南棟の崩壊時に現場にいた救急救命士は、熱風と粉塵に苦しみながらもケガ人を病院へ運び、いなくなった仲間を捜す。第4話では、南棟の崩壊後、灰に覆い尽くされた現場で奮闘する人々の姿を追う。
世界貿易センタービルの2つ棟の崩壊は、建物内にいた大勢の命を奪った。しかし、中には奇跡的に助かった者たちもいた。南棟の崩壊後、北棟の27階にいた消防士らは直ちに避難を開始するも、4階に着いた時に北棟が崩壊。命こそ助かったものの、完全にがれきに埋もれた彼らは無線で助けを呼ぶ。しかし、彼らを救い出すことは至難の業だった。第5話では、兄弟のように強い絆で結ばれた消防士らが人々の救出に奔走する姿を追う。
午後4時30分、世界貿易センタービルの倒壊現場では、がれきに埋もれた大勢の人々を掘り出そうと努力が続けられていた。しかし今度は第7ビルが倒壊し、がれきの上にさらにがれきが降り積もった。その山の上で、ある海兵隊員の耳に助けを求める声が届く。彼は数少ない協力者と力を合わせ、まだ燃えているがれきの中へ、自らの身を危険にさらしながら救出に向かった。第6話では、困難を極めた救出作業の様子を描く。