ナショナル ジオグラフィック

ホット・ゾーン

原題: The Hot Zone
ホット・ゾーンの写真

番組内容

エボラ出血熱の危機迫る…衝撃の実話を完全ドラマ化。
時は1989年。アメリカの首都ワシントンD.C.にほど近いヴァージニア州レストンの研究施設で、フィリピンから輸入されたカニクイザルが大量死するという異常事態が発生。調査を依頼されたUSAMRIID(アメリカ陸軍感染症医学研究所)は、その死因が当時まだ致死率90%と言われた殺人ウイルス「エボラ出血熱」であることを突き止める。1970年代に中央アフリカで発見されたエボラウイルスによる感染症「エボラ出血熱」が、初めてアメリカ本土で確認された衝撃的な事件だった。

その一部始終を克明に記録して話題を呼んだのが、リチャード・プレストン著のノンフィクション本「ホット・ゾーン」。1994年にアメリカで出版された「ホット・ゾーン」は、全米はもとより世界中でベストセラーとなった。そして、長く映像化が待ち望まれていたこの作品を、ナショナル ジオグラフィックが完全ドラマ化したのが本作だ。

予期せぬ事態に誰もが困惑する中、人間への感染を防ぐべく奮闘するUSAMRIIDの研究員ナンシー・ジャックス中佐とそのチーム。しかし状況は確実に悪化の一途をたどり、やがて感染拡大の危機が迫る!ドラマ『グッド・ワイフ』でゴールデン・グローブ賞テレビシリーズ・ドラマ部門主演女優賞に輝くジュリアナ・マルグリーズを主演に迎えた力作。また、スティーブン・スピルバーグ監督の『フック』やフランシス・フォード・コッポラ監督の「ドラキュラ」、ロバート・ゼメキス監督の『コンタクト』を手掛けた名脚本家ジェームズ・V・ハートが、本作のクリエイターとして脚本の執筆にも携わっている。果たして、科学者たちはいかにして「エボラ出血熱」感染パニックのアウトブレイク(勃発)を阻止することが出来たのか?

予告編

■60分×6話

番組のみどころ

実話を元にしたリアルで説得力のある作品
1989年にバージニア州レストンで実際に起きた「エボラ出血熱」事件を、リチャード・プレストンの取材したノンフィクション本をもとに再現した本作。サルの死体から発見されたウイルスがエボラであると気付くUSAMRIIDの獣医病理学者ナンシー・ジャックス、その夫ジェリー、同僚のウイルス学者ピーター・ジャーリングなど、登場人物の多くが事件に関わった実在の人物がモデルになっている。そして、そのジャックス夫妻がドラマの制作にも協力。正確な知識と情報に裏付けられた、リアルで説得力のある作品に仕上がっている。

緊張感あふれるスリリングなストーリー展開
当時はまだ「エボラ出血熱」に関する正確な知識の乏しかった時代。情報に精通した専門家もまだ少ない。とはいえ、もしサルから人に感染すれば致死率は90%。有効なワクチンも存在しないため、いつウイルスが拡散してもおかしくない。まさに一刻一秒を争う危機的な状況の中、自身もウイルス感染のリスクに晒されつつ、ほぼ手探りの状態で感染拡大の阻止に奔走するナンシー。緊張感あふれるストーリー展開がスリリングだ。しかも、意見や見解の異なる同僚たち、世間への情報漏洩を恐れる軍幹部など、登場人物それぞれの思惑が複雑に交錯し、時としてナンシーの行く手を阻む。一度見始めたら病みつきになること必至!

30年前の出来事に我々が学ぶべきこと
ナンシーを悩ませる問題のひとつは、当事者たちの危機管理意識の希薄さだ。エボラウイルスに関する知識が乏しいだけでなく、誰もがまさかアフリカから遠く離れたアメリカで、しかも自分の生活圏内で「エボラ出血熱」が発生するなどと考えてもいない。その油断と先入観が、事態の悪化を招いてしまうのだ。昔に比べると確かに致死率は下がったものの、それでもなお「エボラ出血熱」はいまだに各地で猛威を振るっている。2014年には西アフリカで大流行し、1万人以上の死者が出たという。2018年にもコンゴで再流行したばかりだ。30年前の出来事を忠実に描いた本作は、改めて「エボラ出血熱」の恐ろしさを現在の我々に強く知らしめ、正確な知識と危機感を持つことの重要性を教えてくれる。

テレビ・映画の名優が揃った豪華キャスト
主人公ナンシー役にはドラマ『グッド・ワイフ』でゴールデン・グローブ賞に輝くテレビ界の大女優ジュリアナ・マルグリーズ。その夫ジェリーを、ドラマ『ジ・アメリカンズ』のFBI捜査官スタン・ビーマン役で有名なノア・エメリッヒが演じている。そのほか、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のリーアム・カニンガム、映画『ブラック・クランズマン』のトファー・グレイス、映画『ダンケルク』のジェームズ・ダーシーなどの実力派が出演。また、往年の名作映画『いまを生きる』やドラマ『Dr.HOUSE』でお馴染みの、ロバート・ショーン・レナードも出演している。

ホット・ゾーンで取り上げているエボラウイルスについて

エボラウイルスによる感染症 エボラ出血熱とは
エボラ出血熱はエボラウイルスによる感染症であり、ラッサ熱、マールブルグ病、クリミア・コンゴ出血熱等とともに、ウイルス性出血熱に分類される一疾患である。エボラ出血熱患者が必ずしも出血症状を呈するわけではないことから、国際的にエボラ出血熱に代わってエボラウイルス病と呼称されている。公衆衛生学上の重要な特徴は、致命率が高いこと、血液や体液との接触によりヒトからヒトへ感染すること、条件が整うと比較的大きな流行に発展することがあることである。

感染経路
自然界ではコウモリなどの野生動物がエボラウイルスを保有していると考えられるが、人の間では家族内、医療機関内で感染を繰り返すことにより、大きな流行が生じることがある。エボラウイルスに感染した動物や感染した人の体液等(血液、分泌物、吐物・排泄物など)に、皮膚の細かな傷や、眼や口の粘膜等が接触するとウイルスが体内に侵入し、感染する。また、症状が出ている患者の体液等やそれに汚染された物品(シーツ、衣類、医療器具、患者が使用した生活用品など)に傷口や粘膜が触れても感染することがある。通常、空気感染は起こらない。

エボラ出血熱 症状
潜伏期間(2~21日・通常7~10日程度)の後、全身倦怠感、発熱(38度以上の高熱)、頭痛、筋肉痛、のどの痛みなどの症状で始まる。続いて、嘔吐や下痢などの消化器症状、次いで内臓機能の低下がみられる。下痢は水様で、しばしば多量になることがあり、重症患者では1日に10リットルを超えることもあり、コレラに類似した症状となる。

出演

ナンシー・ジャックス

USAMRIID(アメリカ陸軍感染症医学研究所)に勤務する獣医病理学者。有能かつ意志の強い女性で、男性ばかりの職場でも一目置かれている。検疫所で起きたサルの集団感染を、「エボラ出血熱」によるものといち早く気付き、人への感染を未然に防ごうと奮闘。夫と2人の子供に恵まれているが、家庭よりも仕事を優先しがちだ。

ジュリアナ・マルグリーズ

1966年6月8日、米ニューヨーク州生まれ。父親ポールは有名な広告マン。'91年に映画デビュー。ドラマ『ER 緊急救命室』('94~'00)で演じた看護師キャロル・ハサウェイで、エミー賞の助演女優賞を獲得して一躍有名になる。『ゴーストシップ』('02)や「スネーク・フライト」('06)などの映画でも活躍。『グッド・ワイフ』('09~'16)では、ゴールデン・グローブ賞とエミー賞の主演女優賞に輝いている。

声優情報
塩田 朋子
【声優代表作】

『ビッグ・リトル・ライズ S1~S3』
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』…ローラ・ダーン
『スター・トレック:ディスカバリー S1~S3』…ミシェール・ヨー
『ジャスティス・リーグ』…ダイアン・レイン
『オーシャンズ8』…ケイト・ブランシェット

ウェイド・カーター

ナンシーの恩師であり、'70年代にアフリカでエボラウイルスの研究に取り組んだ専門家。感染拡大を阻止するため、ナンシーの要請を受けてチームに加わる。頑固で気難しい人物だが、ナンシーにとっては心強い味方だ。

リーアム・カニンガム

1961年6月2日、アイルランドのダブリン生まれ。中等学校を卒業して電気技師になるものの、仕事に嫌気がさして俳優へ転向。'92年に映画デビューし、『ドッグ・ソルジャー』('02)のライアン大尉役で注目される。『麦の穂をゆらす風』('06)や『ハンガー』('08)などで各演技賞を獲得。近年はドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』('12~'19)のダヴォシ・シーワース役で親しまれた。

声優情報
てらそま まさき
【声優代表作】

「ER緊急救命室」(ルカ・コバッチュ)
「スター・ウォーズ」シリーズ(ベイル・オーガナ)
「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」(ローレン・バレル)
「若おかみは小学生」(蓑田康之介)
「仮面ライダー電王」(キンタロス)

トラビス・ローズ

「エボラ出血熱」対策のため協力するCDC(アメリカ疾病予防管理センター)職員。カーターとは古い付き合いの友人で、かつては共にアフリカでエボラウイルスの研究をした仲だが、今は対立する関係にある。

ジェームズ・ダーシー

1973年8月24日、英バッキンガムシャー生まれ。名門ロンドン音楽演劇アカデミーに学ぶ。ラッセル・クロウと共演した『マスター・アンド・コマンダー』('03)や悪魔と対峙する若き神父を演じた『エクソシスト ビギニング』('04)などで知られるようになる。最近では『ダンケルク』('17)の陸軍大佐が印象的。ドラマ『エージェント・カーター』('15~'16)ではスターク家の執事ジャーヴィスを演じ、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』('19)にも同役で顔を出した。

声優情報
三上 哲
【声優代表作】

「ドクター・ストレンジ」(ドクター・ストレンジ)
「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」(オーソン・クレニック)
「SHERLOCK」(シャーロック・ホームズ)
「Marvel アイアン・フィスト(ウォード・ミーチャム)
「ダウントン・アビー」(トーマス)
「DOUBLE DECKER! ダグ&キリル」(ダグ・ビリンガム)
「メタルギアソリッドV ザ・ファントム・ペイン」(オセロット)

ジェリー・ジャックス

ナンシーの愛情深い夫で、同じくUSAMRIID(アメリカ陸軍感染症医学研究所)に勤務している獣医師。穏やかな人柄の良き家庭人で、妻にもっと子供へ目を向けてほしいと思っているものの、いざという時は命の危険を冒してでも職務を全うしようとする。

ノア・エメリッヒ

1965年2月27日、米ニューヨーク州生まれ。父親はドイツ系のユダヤ人移民。'93年に映画デビューし、『ビューティフル・ガールズ』('96)や『トルーマン・ショー』('98)の脇役で知られるようになる。『SUPER8/スーパーエイト』('11)の悪人ネレク大佐役も印象深い。テレビでは『ジ・アメリカンズ』('13~'18)のFBI捜査官スタン・ビーマン役でお馴染みだ。

声優情報
山野井 仁
【声優代表作】

「クイーンメアリー」(アンリ2世役)
「ブラックリスト」(クーパー役)
「ザ・ラストシップ」(スラッタリー役)
「L・Aコンフィデンシャル」(バド役)
「スーツ」(ジェフ・マローン役)
「ストレンジャーシングス」(ホッパー役)
「バーフバリ」(バラ―ラデーヴァ役)

ピーター・ジャーリング

ナンシーの同僚であるウイルス学者。優秀な研究者だが自惚れが強く、サルの感染症を「エボラ出血熱」ではないかとするナンシーの主張を、当初は全く認めなかった。その後も、ウイルス感染の対応策を巡ってナンシーとは衝突。また、重大な秘密を隠している。

トファー・グレイス

1978年7月12日、米ニューヨーク州生まれ。テレビのシットコム『ザット'70sショー』('98~'06)の主演でデビューし、いきなり大ブレイクを果たす。映画でも『スパイダーマン3』('07)や『インターステラー』('14)、『ニュースの真相』('15)などで活躍。最近では、スパイク・リー監督の『ブラック・クランズマン』('18)で演じたKKK最高幹部デヴィッド・デューク役が印象的だ。

声優情報
平川 大輔
【声優代表作】

「アベンジャーズ」シリーズ:ロキ(トム・ヒドルストン)吹替
「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ:
ウィル(オーランド・ブルーム)吹替
「ロード・オブ・ザ・リング」「ホビット」シリーズ:
レゴラス(オーランド・ブルーム)吹替
「美男ですね」:テギョン(チャン・グンソク)吹替
「殺人を無罪にする方法」シリーズ:
コナー(ジャック・ファラヒー)吹替
「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース」:
花京院典明役
「Free!」シリーズ:竜ヶ崎怜役
「鬼灯の冷徹」:桃太郎役
「イタズラなKiss」:入江直樹役

ベン

ナンシーやピーターと共にラボで働く技術者。妻子を大事にする良き家庭人で真面目な青年だが、ピーターのせいで重大な秘密を抱えてしまう。

ポール・ジェームズ

米ワシントンD.C.生まれ。人気ドラマ『GREEK~ときめき★キャンパスライフ』('07~'11)のカルヴィン役で注目され、Huluオリジナル・ドラマ『THE PATH/ザ・パス』('16~'18)でもレギュラーを務めた。

声優情報
遠藤 大智
【声優代表作】

「LUCIFER/ルシファー」
(ルシファー・モーニングスター/トム・エリス)
「ミッシング~消えた少年~」
(主役:トニー・ヒューズ/ジェームズ・ネスビット)
「G.I.ジョー バック2リベンジ」(ザンダー/マット・ジェラルド)
「MIX」(三田浩樹)

エピソード

第1話

「 襲来 (原題: Arrival) 」

襲来 (原題: Arrival)の写真

陸軍のナンシー・ジャックス中佐は、夫と2人の子供を持ち、世界でもトップレベルの危険な仕事に就いている。何層もの防護服を着て彼女が入るのは、陸軍感染症医学研究所にあるバイオセーフティーレベル4のラボ。そこで、世界有数の致死性ウイルスを扱うのである。1989年のある日、ワシントン近郊から職場に届いたサンプルを検査する。それは世界で最も致死率の高いウイルスの1つかもしれないと恐怖を抱く。

第2話

「 感染 (原題: Cell H) 」

感染 (原題: Cell H)の写真

感染したサルの新しい検体をもっと渡してほしいとサルの検疫所の職員を説得したナンシー・ジャックス中佐。自らの車で何とかサルの死体をユーサムリッドへ持ち帰る。そしてジャーリングと共に検体から標本を作り、ついに顕微鏡越しにウイルスと対峙。ウイルスは致死率90%のザイールエボラの検査薬に反応を示した。ナンシーはウイルスの専門家であるウェイド・カーター博士の協力を得て、ウイルスを封じ込めることを決意する。

第3話

「 混乱 (原題: Charlie Foxtrot) 」

混乱 (原題: Charlie Foxtrot)の写真

サルの検疫所で別の部屋にも感染が広がっていると気づいたジャックス中佐。対策を急ごうとするも、近年これほどのウイルスが現れたことがないアメリカには、手順が確立されていない。そんな中、検疫所の職員が倒れてしまう。人間に感染したのではと懸念するジャックスは、各組織の代表に封じ込め作戦の必要性を訴えるが、反対に遭う。反対派の1人、疾病対策センターのトラビス・ローズは、カーターをよく知る人物だった。

第4話

「 犠牲 (原題: Expendable) 」

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サルの検疫所からようやく許可が下り、これまで誰も経験したことのない危険な任務に挑むことになったナンシー・ジャックス中佐。プロジェクトのリーダーとしてユーサムリッドでのチーム編成に向けて動き出すが、命がけの危険な任務は、家族にも不安をもたらすことになる。家族への思いが人一倍強い夫ジェリーは、妻を守る道を選ぶ。そんな中ナンシーは、師匠のウェイド・カーター博士に、裏の狙いがあるのではないかと考える。

第5話

「 隔離 (原題: Quarantine) 」

隔離 (原題: Quarantine)の写真

検査ではエボラウイルスに陽性反応が出たものの、人間の感染者にはサルに見られた恐ろしい症状が現れない。人間とサルで何かが違うのか?その原因を突き止めるべく、ナンシー・ジャックス中佐は、バイオセーフティー・レベル4で精力的に調査を行う。一方、夫ジェリーの率いるチームはウイルスの封じ込め作戦を開始。しかし検疫所で思わぬ危機に見舞われ、チームの中で最も頼りになる隊員が、命の危険にさらされることになる。

第6話

「 機密 (原題: Hidden) 」

機密 (原題: Hidden)の写真

困難を極めるサルの検疫所での制圧任務。ナンシー・ジャックス中佐がチームに合流するも、メンバーの疲労はピークに達していた。危険な現場での集中力低下は命取り。彼らは次々と困難に見舞われる。さらに、記者が現場に現れ、地域住民も陸軍の存在に不安げなまなざしを向ける。危険なウイルスの存在が明るみに出れば、パニックは必至。彼らはこのまま秘密裏にウイルスを封じ込め、アメリカを救うことができるのか…?

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