真冬、すっかり乾燥したオカバンゴ・デルタでは、チーターやヒョウが思いのままに獲物を仕留める一方で、ベルベット・モンキーやインパラは何とか飢えをしのいでいる。だが遠く離れた高原で降った雨水が流れ着くと、環境は一変。広大なサバンナがみるみる潤い、命を吹き込まれ、洪水がもたらす恵みを求めて多種多様な生き物たちが集まってくる。そして、地球上に二つとない野生生物の楽園が誕生し、壮大な命の営みが展開する。
大洪水がピークを迎えたオカバンゴ・デルタ。水中は新しい命に満ちあふれ、ライオンは沼の主に脅かされる。だが数ヵ月後、水が引き始めると、生き物たちに再び変化の時が訪れる。水の恵みを享受しながら中州に巣を作る渡り鳥の群れ。新鮮な若草を満喫する草食動物たち。勢いを取り戻すライオン。水が残る唯一の水路では、食うか食われるかの死闘が繰り広げられる。真夏、さらなる変化が次の大洪水まで生き物たちの命をつなぐ。