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18.06.11

JAXA宇宙飛行士 若田光一さんから「宇宙の奇石」の感想をいただきました!

JAXA宇宙飛行士 若田光一さんから「宇宙の奇石」の感想をいただきました!

「映像は、宇宙に行ったときのことを思い出させてくれるような素晴らしいものでした。」

JAXA宇宙飛行士 若田光一さんより、ナショジオ新番組「宇宙の奇石」へ感想をいただきました。宇宙飛行士だからこその目線で、地球の奇跡を語ってくれました。

●番組の感想は?
番組には8人の宇宙飛行士が登場しますが、それぞれ長い間NASAで一緒に訓練してきた仲間たちで、特にジェリー・リネンジャーやクリス・ハドフィールドは1992年の宇宙飛行士クラスの同期生です。彼らが私たちの“青いふるさと”である地球の表情や、呼吸に必要な酸素がどうやって生まれて循環していくかなどの壮大なスケールの営みについて、それぞれ自分の言葉で、感じたことをそのまま表現している点が印象的でした。

宇宙では、空気や水を再生するのはとても難しいんです。酸素は自分たちが吐いた息から二酸化炭素を取り除いて作り出し、水も汗や尿から再生しなくてはいけないため、多くのコストとエネルギーを使います。宇宙に行くと、われわれの日常生活でただ同然で享受している水や空気(酸素)がいかに貴重かということを感じ、今回の番組ではそれをみなさんにきちんと紹介していただいているという事が重要だと思います。月や火星へ人間の活動域を広げるための活動や研究をする国際宇宙探査の一環では、水や空気の再生は非常に重要で、日本を含め世界各国がしのぎを削ってその研究をしています。そういう意識を多くのみなさんにご理解いただけるという観点からも、番組は非常に面白いです。それを宇宙飛行士が語ってくれていることも印象的ですね。

●宇宙から帰ってきて、地球の見方で変わったところなどありますか?
地球で当然だと思って日々消費しているものが、宇宙ではものすごく貴重だという点です。例えば夜の地球を見ていると、ものすごく明るいLEDをちりばめたように夜景がきれいで、日本列島を含め特に北半球は莫大なエネルギーの消費を感じます。人間の科学技術の力強さ、文明を象徴していると同時に、ここまでのエネルギーを消費することが本当に必要なのか、と地球に帰ってくると考えさせられます。前回、宇宙にいった際には半年で3000周以上、1日に約16周地球を回りました。いかに地球が小さいものかがわかりますよね。地球では酸素濃度が20.95%に保たれていますが、何か異変が起こるとそのバランスが崩れてしまいます。宇宙での人間の活動域を広げるための活動と同時に、今われわれが地球で享受している環境を守っていくことが、人類に課された義務のようなものだと思っています。

●番組の映像で特に印象的だった所はありますか?
番組内の映像は非常にきれいですね。番組の中で宇宙飛行士も言っていましたが、一番印象的なのは、いかに大気層が薄いかということです。地球を優しく守ってくれている大気層が非常に薄いという事が、日が昇るシーンや昼間のシーンなどでリアルに表現されていると思いました。 また、珪藻類が爆発的に発生しているのが宇宙から海面上に見えるのですが、それを番組の中でもきれいな色で捉えていて、宇宙から見ているのと同じでした。映像は、宇宙に行ったときのことを思い出させてくれるような素晴らしいものでした。

【番組概要】
宇宙の奇石
放送日時:毎週日曜日 22:00~
私たちが住む地球は、いったいどんな惑星なのか?映像表現に定評のあるダーレン・アロノフスキーと番組ホストのウィル・スミスが贈る地球の神秘に迫るドキュメンタリー。
番組詳細はコチラ

視聴方法

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