シングルマザーになったアメリカ人のルーシー・ランバートが麻薬の運び屋に身を落としたのは家計を助けるためだった。ペルーからのコカインの持ち出しに何度か成功していたが、ついに彼女は逮捕され、過酷な南米の刑務所に投獄されてしまう。さらに、塀の中で自分が末期がんに侵されていることを知り絶望のどん底に突き落とされる。ルーシーは死ぬ前に子供たちに一目会いたい一心で、国外に逃亡することを決意する。
見習い看護師のルーシー・ライトが麻薬中毒者に身を落とす前は、すてきな恋人がいて、仕事も順調だった。借金を返済して人生をやり直したいという必死の思いで、彼女はアルゼンチンからコカイン入りのスーツケース2個を運び出すことに同意してしまう。しかし、ブエノスアイレス空港で現行犯逮捕された彼女は、16年から25年の刑務所暮らしが待っていると告げられる。保釈を認められたものの、警察に身柄を拘束される寸前にルーシーは逃走。大胆不敵な逃亡を決行した彼女は、いくつものバスを乗り継ぎ、ヒッチハイクし、さらに泳いで、ついに国境を越えた。そして、なんとか母国イギリスにたどり着いたところで自首をしたのである。
ゲイのイギリス人看護師スティーブン・コミスキーの1年は苦難に満ちていた。彼は自分の性的指向をカミングアウトし、妻と子供たちの元を去った。別れた妻子の養育費を払い、自身も借金生活から抜け出すために、彼は、サウジアラビアで実入りのよい看護師の仕事を引き受けた。同国では同性愛は死刑に処せられることを知った彼は、禁欲生活を決意する。しかし、同国のゲイシーンの盛り上がりを目の当たりにした彼の決意は揺らいでいく。その後、何人もの男性と関係をもち、このまま捕まらないで済むと安心し始めていたところ、ある晩、彼は地元の宗教警察に殴る蹴るの暴行を受け、ついに投獄されてしまう。
遊び人のマジシャン、マーク・グリーニングには悩みなど何ひとつなかったが、休暇先での行きずりのロマンスが妊娠という結果をもたらすと、彼の世界は一変する。マークはバリでの気ままなサーファー生活を捨てて、東京で自分の行動の責任を取らなければならない事態に。しかし、仕事が見つからないため、彼は一匹狼の麻薬の運び屋に転身することを決意し、ネパールから日本へハシッシュの密輸を開始。何回かは成功したものの、幸運は長く続かなかった。ついに、彼は世界で最も厳しい刑務所で5年の刑期を言い渡される。
イラク人兵士のラティフ・ヤヒアは、イラン・イラク戦争の真っただ中に宮殿に呼び出された。ラティフの話によれば、そこで彼はサダム・フセインの長男ウダイの影武者になるよう命じられたという。ラティフはウダイとはまるで双子のように身体的特徴が酷似していた。この命令を断ったラティフはウダイに投獄されてしまう。やがて、彼は自分に選択の自由はないことを悟る。彼は家族や友人とは縁を切り、自分自身を捨て、新しい雇主とまったく同じように行動しなければならなかった。役得の部分はあったものの、ラティフが目の当たりにしたのは、日常的に繰り返されるレイプ、殺人、拷問など、ウダイの蛮行の数々だった。ラティフは数回にわたる暗殺未遂をすんでのところで逃れたものの、悪魔の手が彼に伸びるのは時間の問題だった。殺されるか、逃げるかの選択を迫られる。
俳優のエリック・オードはハリウッドでの成功が約束され、すっかり有頂天になっていた。しかし、それは彼がパキスタンで革製品を引き取ってほしいという友人の話に乗るまでのこと。空港で逮捕されて始めてエリックは自分がアヘン密輸のために友人に利用されたことに気づく。彼はだまされたのだ。しかし、時すでに遅し。彼を待ち受けるのは拷問や鞭打ちなどの刑罰だった。エリックの生き残りと汚名返上をかけた戦いの日々が始まる。
冒険と実入りのよい仕事を求めて、トーマス・ハミルは戦争で疲弊したイラクへ渡った。米軍用の燃料輸送トラックの運転手として勤務中、トーマスの車列は武装勢力の襲撃を受け、彼は拉致されて人質に取られてしまう。いつ殺されてもおかしくない状況の中、果たして、トーマスは監禁状態を耐え抜き、生きて故郷に帰ることはできるだろうか?
ドワイト・ワーカーは、メキシコシティでペルーからコカインを持ち込もうとして逮捕されてしまう。彼が収監された刑務所は悪名高い「ブラックパレス」。この時からドワイトの生き地獄が始まる。レイプや暴力との戦いの日々。一時期は精神科監房に収容された。やがて彼は脱獄するか、せめて脱獄を試みてから死ぬことを心に誓う。1人の女性との出会いが彼にとって千載一遇のチャンスとなり、結婚式の当日についに脱獄を決行する。
エレズ・エルタウィルとライニ・ワイゲルを含む8人のバックパッカーはコロンビア北部で地元ゲリラに拉致された。数ヵ月が過ぎても解放される兆しが見えず、人質たちは次第に自暴自棄になり、ついに2つのグループに分裂。一方は拉致犯に協力し、もう一方は拉致犯と対決していくことに。しかし、大胆不敵な逃亡作戦はむごい報復に遭い、協力作戦は被害者と犯人の区別を曖昧にしてしまう。果たして彼らはどうなってしまうのか?
カリブ海のナイトクラブでラップダンスを教える仕事のオファーを受けた時、ジェイン・ブレイドンは夢の仕事にありつけたと思った。しかし、ガイアナに到着してすぐ、彼女と夫のデビッドは銃口を突きつけられ、数キログラムもの液体コカインをイギリスにひそかに持ち込むよう脅迫されてしまう。2ヵ所の税関の突破には成功したが、グアドループでついに逮捕。収監された刑務所で激しい暴行を受けたデビッドは、約2年後にようやくジェインとの再会を果たした時にはすっかり体が不自由になってしまっていた。