フランス最後の王妃、マリー・アントワネットとアメリカの男性向け雑誌『プレイボーイ』の創刊者、ヒュー・ヘフナー氏とでは、まったく共通点がないように思われるだろう。ところがなんと両者とも仮装パーティーの愛好家だったのだ。世界中で最も人気があり、いまもなお続く仮装パーティー。時代が異なる2つのパーティーを同時進行させながら、フランス王妃も興じたであろう仮装パーティーについてお届けしよう。
パーティープランナーのディラン・メアラーは、ラスベガスのカジノリゾートホテル「ザ・パームズ」で大規模なイベントを成功させるべく、日々奮闘している。事が順調に運べば、彼の評判はうなぎ上りになることだろう。しかし、うまくいかないことも多々ある。彼は今度のイベントを、古代ローマ帝国の若き皇帝エラガバルスの退廃的な生活ぶりをヒントに、現在プランを練っている。かつて皇帝はダチョウの脳みそを食したり、トラに友人を襲わせたり、一糸まとわぬ女性に二輪馬車を引かせたなどと言われている。そんな当時のパーティーを、ディランは一体どのようにして再現しようというのか。
1897年2月10日、ニューヨークにオープンしたばかりのウォルドルフホテルで、アメリカ史に残る最も豪華なパーティーの一つ、「ブラッドレー・マーティン・ボール」が開催された。このパーティーには、欧州貴族の衣装に身を包んだ富裕層、約1000人が出席。一晩で最高級シャンパン4000本を空にし、25品の豪華なコース料理を平らげたと言われている。このエピソードでは、パーティーが開かれた当時の写真や資料を元に映像で完全再現。