心に傷を負ったゾウの物語

原題:War Elephants

番組内容

舞台はモザンビーク、ゴロンゴザ国立公園。姉のジョイス・プール博士と弟のボブ・プールはそこで、一見単純だが非常に危険な任務-なかには正気ではないという声も-を遂行する。2人を待ち受けるのは、心に傷を負い凶暴化しているゾウたち。任務とは、そんなゾウたちに人を襲わないよう教えることだ。
内戦が16年続いたモザンビークでは、密漁と破壊が繰り返されてきた。そのため今も殺戮の恐怖におびえるゾウたちに、公園を訪れる人間は彼らに危害を加えることはなく、逆に守る立場にあることを分からせる必要がある。2人は危険を承知でメッセージを伝えようとしている。
ゾウは決して過去の出来事を忘れないともいわれ、実際公園のゾウたちは、銃弾によって家族が殺され、自分たちの社会が破壊されたことを覚えているようにも見える。ゾウ研究の第一人者で生物学者のジョイス・プール博士は、30年以上ゾウの研究に携わり、著名な撮影監督である弟のボブ・プールもその様子を長年撮り続けている。しかし2人のやり方は科学に基づくとはいえ、あまりにも無謀だともいわれる。彼らはなんと、ゴロンゴザ国立公園で凶暴化したゾウたちに車で限りなく近づき、じっとしているのだ。そうすることにより、人間に慣れさせ観光客を恐れる必要がないとゾウに分からせるのが目的だ。もちろんその間に自分たちがゾウに踏みつけられないとも限らない。時には6トンもある怒りをあらわにしたゾウが車に向かって突進してくることもある。それでも2人はその場にとどまれるだろうか。それとも恐怖に耐え切れず逃げ出すか。もしこのゾウたちが本当に過去を忘れられないとしたら、一つの疑問が湧いてくる。「彼らははたして人間を許すことができるだろうか」