2006年12月のニュージーランド。4.6キロメートルの高さから落下することが、マイケル・ホームズとジョナサン・キングのその日の仕事だった。彼らは何千回も飛行経験のあるスカイダイビングのインストラクターであるが、突然のアクシデントに遭遇する。そして生徒用の撮影ビデオが、生涯で最も恐ろしいダイブを撮影していた。なんとマイケルのパラシュートは開かなかったのだ。マイケルはコントロールを失って回転し、レーシングカートと同等のスピードである時速250キロの速さで地面に向かって落下する。生き残る確率はゼロに等しい。物理学の法則に反することは可能なのか?結果として、どうやってマイケルが死を免れることができたのか、空軍の人体遠心機や最先端の技術を備えた垂直風洞を用いて検証し、空気力学や解剖学、スポーツ科学の裏に隠された事実を突き止める。12月13日、マイケル・ホームズに起きた事故を解明する。
2004年5月4日、ニューヨーク。ベテランのヘリコプター操縦士ラス・モーリーとニュースレポーターのアンドリュー・トレスは、その日の最新ニュースを伝えるために飛行中だった。市街地から約240メートルの上空で静止していたところ、恐ろしい事態となる。ヘリコプターが回転して制御不能となり、建物の屋根がひしめくブルックリンに突っ込んだのだ。友人でライバルのヘリコプター・レポーターのシャノン・ソーンによって、この恐ろしい事故の一部始終が撮影され、世界中が目撃者となる。飛び散った破片を見て、人々は確信した、「生存者はいない」と。番組では科学者と専門家に意見を聞き、次の質問の答えを探し出す。「生存不可能な状況から、どうやって生還したのか?」。オランダの最新式モーションシミュレーターやNASAの画期的な研究機器を用いて科学の領域に踏み込み、ヘリコプターの乗組員に起きた事故の真相を明らかにする。
2004年5月23日、オハイオ州デイトン。デイトンでは典型的な春の1日が始まる。住人のスコット・テットメイヤーはダウンタウンに向かって歩いていたが、突然、惨劇が起こる。2台の車が交差点で衝突し、1台がまっすぐスコットのほうに向かって飛んで来たのだ。逃げる時間はなく、彼は空中を飛んでくる約1.4トンものSUV車の標的となり地面に叩きつけられる。それは死亡するほどの衝撃だろうと目撃者は確信した。この凄惨な事故の一部始終が赤信号カメラによって撮影されていた。絶望的とも思われる状況から生き延びた様子が、ビデオで明らかになる。衝突事故の専門家と科学者のチームとともに、番組では最新機器を使用して、どのようにして生き残れたのか、その疑問を解き明かす。さらに、ひどい衝突事故にもかかわらず生存者がいた事故映像を世界中から集めて検証する。また、原寸大で事故を再現しテストを行い、最先端のテクノロジーを駆使して、スコット・テットメイヤーが生存した理由を突き止める。
スコット・ルッツはスカイダイビング中にメインパラシュートを失ってしまい、その冒険は恐ろしいものへと変わる。非常用パラシュートと開こうとするが、インストラクターたちの指示にも関わらず、彼は高圧電線に激突。しかし、スコットが負った怪我は奇跡的な軽傷で、彼はすっかり回復できた。なぜ生還できたのか、2つの疑問が思い浮かぶ。スコットは高圧電線に突っ込んでいってしまった訳とは?そして、一体どうやって1万2000ボルトもの高圧電流に耐えられた理由は?電気保安の専門家や行動心理学者が、この電撃的な謎に関する非常に興味深い実験を行う。
時速170キロメートルのスピードが出た自転車で転倒するなんて、誰が想像できるだろうか。しかしエリック・バロンのような、幾度も最高速度の世界記録を出しているプロのダウンヒル・マウンテンバイクレーサーにとっては違う。彼にとってそれは最悪のシナリオだった。ところが2002年5月12日、ニカラグアのセロネグロ火山で事故は起きた。エリック・バロンのマウンテンバイクが世界記録を樹立した後、突然バイクがバラバラになったのだ。事故を見ていた人によると、生きているのは不可能と思えるような光景だった。しかしエリック・バロンは生きていた。ここで2つの疑問が持ち上がる。なぜエリック・バロンのバイクは壊れたのか?どうやって時速170キロの衝撃から生き延びたのか? 様々な専門家の意見を聞き、研究施設での実験を行う。さらに各地の岩棚から実際に飛び降りたり、ダミーを使って障壁に激突したりする実験を行う。しかしそれだけではない。プロのレーサーであるマーカス・ストークルが実験に参加する。エリック・バロンによって2002年5月12日に達成された記録を、今度はマーカスが、事故なく新記録を出す準備をするためである。
表に出て行くべきではない日がある。次の曲がり角では何が待ち受けているかなんて誰もわからない。あらゆることが起こりえるし、一瞬で人生は変わってしまうのだ。アンドリュー・リーチと両親は、ちょうど4ヵ月になった小さな息子ヘイデンと一緒に散歩に出かける。家族にとっては特別な日だったが、彼らが望んでいたような日とはまるで違うものに変わってしまう。監視カメラが、この郊外の通りで起きた事故をとらえていた。車は速度を落とすことや方向を変えることなく、家族に向かって突っ込んでくる。咄嗟に行動できるような時間はリーチ一家になく、この恐ろしい交通事故の避けようもない標的となってしまったのだ。
高架陸橋で起きた凄まじい衝突事故。高級スポーツカーが空を飛び、バラバラになった。2010年8月のオハイオ州デイトンで、ティーンエイジャーのーブレナン・イーデンの車は高速道路のガードレールに激突した後、車ごと彼は空中に吹っ飛んだ。まさに生命の危機である。だが奇跡的にも、彼は怪我から完全に回復。イーデンには事故当時の記憶がなく、どうやって生き残ったのか考えもつかない。そこで2つのカギとなる疑問が浮かぶ。「なぜイーデンの車は空中を飛んだのか?誰もが死んだと思うようなひどい激突事故で生き残れたのか?」。熟練したスタントチームと興味深い機器を駆使し、事故捜査官ティム・レジェットが、この奇跡的な生存の理由を解明する。
ニュージーランドのウエリントン動物園は、餌やりの時間だった。ロバート・ベネットは、いつもはラクダとキリンに餌をやっているが、その日はスタッフが少なかったためライオンの餌やりを手伝おうとしていた。彼は檻に入りライオンの餌やり場に肉を置いた。しかしその直後、この普段どおりの餌やり方法が最悪な事態を引き起こすこととなる。2頭の若いオスライオンが背後に現れると彼に飛び乗り、引きずり下ろしたのだ。さらにライオンはロバートの首に噛みついた。ロバートは病院にすぐに搬送され、傷は負ったものの命に別条はなかった。ライオンが攻撃するきっかけが何だったのかを、もっと理解するために、経験豊富な飼育員がダミー人形を使用して事件を再現。すぐに獲物の息の根を止めるために首と頭を噛みつくという、肉食動物の攻撃方法を検証する。なぜロバートは生き残ることができたのか?ライオンは狩りをしたのではなく、じゃれた可能性もあるのだろうか?
1993年1月、ヒュー・アレキサンダーはガールフレンドのカティアと数日を過ごす。行き先は“楽園”。彼らはハワイで夢のような4日間を過ごしていた。しかし最終日になってすべてが変わった。写真を撮るために、カティアとヒューはノースショアまでドライブする。そこは素晴らしい波がくることで知られる場所だ。すぐに2人は、その評判にたがわぬ経験をすることとなる。2人の頭上に押し寄せた大波が、崖っぷちへとどんどん彼らを連れて行ったのだ。それも1度でなく、2度の大波だった。カティアは岩に捕まることができたが、ヒューは6メートルも下の荒々しい海に向かって落下。彼は崖の途中にある洞窟に落ち、その中で泳ごうとする。モイ・ホールという海中の洞窟は、助けを待つためには最適と思われる場所だった。ところがヒューは知らなかったがこの穴は火山岩で出来ているためナイフのように鋭い。波が打ち寄せれば、モイ・ホールは誰も生きて出られないような恐ろしい洗濯機へと変貌するのだ。ヒューは自らの首を絞めてしまったかのように思えた。一方でライフガードが洞窟の入り口で救出準備を始める。彼らは波間にヒューを見つけようと試みるが、波との戦いだ。ジェットスキーが岩にあたり、エンジンが水に浸かってしまい、新しいジェットスキーが必要となる。同じころ、ヒューはなんとか洞窟から泳いで出ようと試みていた。彼は自力でなんとかしなければならないと思っていたが、波がヒューを再び襲い、彼をもう1度モイ・ホールに吸い込もうとしていた。
ロッド・ベアードは友人と一緒にチャトゥーガ川をカヤックで下っていたが、突然転覆してしまう。逆さになって急流へと流され、水中の巨大な岩に挟まってしまい抜けだせなくなる。彼は身動きが取れず意識を失い、7分間の呼吸停止状態に陥る。友人と救助隊がやっと彼を水中から引き上げた。恐ろしい体験から生還したロッドは、生き残れた理由を探そうとする。流体力学の研究者が事故当日の川の状態を調査し、原因を究明する。ロッドの体力や潜水反応といった要因は、命を助けることに寄与したと考えられるが、はたしてこの不可解な事故を徹底解明することができるのだろうか?