初回のエピソードでチームが取り組むミッションは、船首を幅9メートルの大きさで再現し、タイタニック号が建造されたベルファストの波止場に建てること。この船首は、タイタニック号の建造者たちに敬意を表し、ベルファストの住民への贈り物として残される予定だ。チームのメンバーは、超高層ビルの建築を手がける溶接工のデイブ・ウィルクス、航空機の建造を手がけたエンジニアのブレンダン・ウォーカー、デザインエンジニアのエワンデ・アキノラ、伝統的な技法のかじ職人であり工芸家のルーク・ペリーだ。100年前の技術を使うことで、彼らはこの有名な客船を造り上げた当時の人々の卓越した人生を知ることとなる。
2回目のエピソードでは、チームは、工学技術の驚異といわれるタイタニック号をつくった製鋼工の技術を学ぶため、イギリス・シェフィールドの歴史ある最大の製鋼所 Forgemasters社に向かい、タイタニック号の象徴でもある16トンのいかりの製作に取り組む。発見された実物を見ても分かるとおり、タイタニック号のいかりは当時世界一の大きさを誇った。さらにチームは、100年前、イギリス中央にある小さな内陸の町、ネザートンが世界有数のいかりの地であり、タイタニックだけでなく世界中の船のいかりとチェーンを作っていたことを知る。今回のミッションは、巨大ないかりを復元し、100年前実際に行われたように、20頭の荷馬車馬が引く台車に載せてネザートンへ戻すことだ。
1912年、多くの人にとって、電気は空想科学の世界のものだった。家庭ではガスランプで明りを灯し、料理や暖房には石炭を使っていたのだ。しかしタイタニック号には、4台の巨大な発電機が設置され、陸地にある発電所の1日分を上回る電力を作っていた。全長321キロメートルを超えるケーブルを使い、乗務員用の部屋や3等船室から豪華な1等室まで、全客室の明りと暖房に電気を送っていたのだ。今回のエピソードでは、4人のエンジニアが、タイタニック号の大きな電気オーブンといった100年前の電気製品を復活させ、当時と同じメニューを再現。タイタニック号の乗客の子孫たちにディナーを振舞う。さらに船内のジムに設置されていた一風変わった電気器具を復元したり、当時と同じ作りの発電機で船内の照明の4分の1相当の電力を作れるか挑戦する。
チームは豪華なインテリアや家具、調度品を再現し、タイタニックが造られた街、ベルファストのアルスター博物館に展示する。今回のミッションは、再発見されたエドワード王朝の工芸品やタイタニック号で一番豪華な紳士用の1等喫煙室の復元だ。現在、姉妹船オリンピック号の喫煙室の白黒写真は残っているが、多くの図案は失われている。そのため、チームは部屋の色彩や詳細部分を調査しなくてはならない。これは、映画「タイタニック」を制作時にハリウッドのセットデザイナーも頭を悩ませた問題だった。豪華さを際立たせるために、チームは、新しい生活を求めアメリカに渡ろうとしていた移民たち用にデザインされた安い3等室も作ることにする。
チームは、マルコーニ社の無線機やライフジャケットといったタイタニック号の安全設備をいくつか再現し、沈没するというあの不運な夜にどう機能したのかを探る。また、自らの命をかけ、沈みゆく船から人々を避難させ、助けを呼ぼうと努力した技師たちを称える。イギリスの都市、サウサンプトンはこの沈没事故で一番多くの犠牲者を出した。サウサンプトン出身のタイタニック号の乗務員のうち549人が家に戻ってくることはなかった。シリーズ最終回となる今回、チームはサウサンプトンの最も知名度の高い記念碑を復元する。タイタニック号のポンプ室に配置され、客船の明りを灯し続け、遭難のメッセージを送信すべく無線発信機に重要な電力を供給し続けた35人の機関士に捧げるものだ。700人以上の乗客を救うために重要な任務を果たした英雄たちを称える。