アフリカ大陸の北西岸に浮かぶラ・パルマ島は静けさを絵に描いたような場所である。しかし、その美しさの裏には危険が潜んでいる。それは、地球の姿を永遠に変えてしまうかもしれないと2人の科学者が懸念している、密かな脅威だ。研究者であるサイモン・デイとスティーブン・ウォードの2人はラ・パルマ島がいつの日か人類が未だかつて経験したことのない津波、「メガ津波」を引き起こす恐れがあると考えているのだ。その学説に対しては賛否両論あるが、デイとウォードは独自の調査に基づき、この説を主張している。不穏な手がかりを示す洞窟や大規模な噴火口の調査から、コンピューターによるシミュレーションまで、ラ・パルマ島に関する主張を裏づける証拠を集める彼らの姿を追う。その調査によると、最悪の場合、ラ・パルマ島で地割れが起き、その衝撃により猛烈なスピードで大西洋を突進する津波が発生し、カナダからアメリカ、カリブ海の島々、そしてブラジルに至るまでの沿岸地域が破壊される可能性があるという。
誰もがこんな警告を耳にしたことがあるだろう。壊滅的被害をもたらす地震がアメリカの大都市を襲うのは時間の問題だ、と。そして今、その日は我々が思っているよりも早くやってくると主張する科学者たちがいる。しかし、その地震の発生する恐れがあるのはロサンゼルスやサンフランシスコではない。アメリカ太平洋岸北西部のカスカディアと呼ばれる地域の主要都市、ワシントン州シアトルだという。科学者たちはカスカディア地域で世界的規模の大災害になるほどの巨大地震が発生する可能性があると懸念している。地球で起こり得る最大級の地震だ。
2004年、インドネシア近海で発生した巨大地震は津波を引き起こし、25万人以上もの犠牲者を出した。カスカディアではどのような備えをしているのだろうか?そして、もし実際に巨大地震に見舞われた場合、どのようなことが起こるのだろうか?