果てしない平原で繰り広げられる、多種多様な動物たちのドラマ
1つの巨大な生態系ともいえるセレンゲティ国立公園は、多種多様な生命の源であり、野生動物の世界最大の大移動が行われる場所でもある。その名はマサイ族の言葉で「果てしない平原」を意味するが、セレンゲティが擁するのはそれだけに留まらず、森林地帯、川岸に広がる森、そして沼地は数多くの哺乳類や350種以上もの鳥類の生息地となっている。こうした場所に暮らす動物の運命は、絶え間なく変化する環境と密接に関係している。雨期から乾期へと移り変わる気候は、動物にとって休息や安定など存在しないことを意味する。この土地に生きる動物はサバンナでの生き残りをかけ、絶えず移動を強いられるからだ。動物たちは数ヵ月にわたり、自然とのたたかいを終息させ、その苦労が報われるような雨が再び降り注ぐことを待ち望みながら生きていくのである。