モロッコの洞窟で発見された古代の子供の遺骨が、歴史の空白の1ページを埋める鍵となるのか?
2009年春、モロッコの洞窟で、古代の子供の頭骨と胴の上部の骨が掘り起こされた。考古学者のチームは、遺骨を性別不明のまま“ブーシュラ”と名づけた。“いいニュース”という意味を持つ女の子の名前だ。しかしそれで彼女についての謎が解けるわけではない。彼女はいつの時代に生きていたのか?どんな顔をしていたのか?原生人類なのだろうか?洞窟に手がかりは無さそうだったが、1つだけはっきりしていることがあった。ブーシュラはかけがえのない存在なのだ。古代の人骨は珍しく、子供の頭骨がほぼ完全な形で出土したことは初めてに近いというだけではない。彼女が生きていた時代は我々にとってほぼ未知の時代であり、彼女は“思考の発達”という進化上の最後の大きな謎を解くカギとなるかもしれないのだ。頭骨の破片が数枚と彼女の埋まっていた土から、いったいどんな真実が見えてくるのだろうか。