ベルリンからのクロス航空3597便はチューリヒ空港に着陸しようとしている。時間は最終便に近い夜間。しかしあとわずかで着陸という時になってもパイロットたちは滑走路を見つけることができない。彼らは着陸を断念し、4基のエンジン全ての出力を最大にして上昇を試みる。だが時すでに遅く、機体は森をかすめ、丘の斜面に墜落。事故調査員たちは機体の残骸をくまなく調査し、フライト・レコーダーの内容を詳しく分析する。だがクロス航空3597便墜落の謎は、過去を調べることによってのみ解明されるであろう。
2008年1月17日、ブリティッシュ・エアウェイズ38便は北京からの10時間半におよぶフライトを終え、ヒースロー空港に着陸しようとしている。副操縦士が操縦を引き継いだ矢先、着陸まであとわずか2分というところで、エンジンが2基とも停止するという不可思議な事態に見舞われる。急激に機体の高度が落ちて行く中、機長はとっさの判断でフラップを引き上げ、抗力を弱めようとする。機体はかろうじてビルやラジオ・アンテナを避け、エンジンと車輪をもぎとられながら滑走路手前に墜落。奇跡的に152人の乗客・乗員に死者は出なかった。事故調査員たちは、この世界最新鋭の航空機が墜落した原因を究明できるのだろうか?
1991年12月27日、スカンジナビア航空751便はストックホルム・アーランダ空港の滑走路に積もった雪とぬかるみの中離陸しようとしている。DC-9機は安全な離陸のために2度の除氷を実施し、冬の悪天候にもかかわらず順調に離陸。だがまもなくエンジンが何度か轟音を発し、煙が客室内にも侵入、その後わずか2分もたたないうちにエンジンは2基とも停止してしまう。パイロットは再始動を試みるが、左エンジンが爆発炎上。高度3200フィートの上空ですべての動力を失った機体は、あっという間に音もなく降下していく。墜落した機体は3つに割れたが、驚くべきことに死者は出なかった。まだ新しい最新鋭旅客機に何が起きたのか、調査員たちは原因を究明できるのだろうか?
2009年2月12日、ニュージャージー州ニューアークを2時間遅れで飛び立ったコンチネンタル航空3407便は、53分間のフライトを終え、バッファロー・ナイアガラ国際空港へ進入しようとしている。雪と強風の中での飛行だが、パイロットたちは眼下に街の灯を見ることが出来ている。ところが速度を落とすためにフラップを出すと、操縦桿が突如振動し始めた。これは失速しようとしている前兆だ。機長は何とか態勢を立て直そうとするが、コントロールを失った機体は急速に降下し、郊外の住宅に墜落してしまう。これはアメリカにおける過去7年間で最悪の墜落事故だ。猛烈な炎で残骸が焼き尽くされる中、調査員たちは事故原因を究明できるのだろうか?
2009年2月25日、トルコ航空1951便はイスタンブールからのフライトを終え、アムステルダム・スキポール空港への着陸態勢に入っている。管制塔からの指示に従い、ボーイング737型機は滑走路に機首を向ける。ところが着陸寸前になって機体は急降下し、空港北側の泥地に墜落してしまう。135人の乗客・乗員のうち9人が死亡。調査員たちは現場に急行し、世界で最も普及している旅客機の事故原因の究明を始める。果たして彼らの検証は、同様の惨事の再発を防止できるのだろうか?