台湾で、オイルタンカーが墾丁(ケンティン)国家公園沿岸に追い込まれた。太平洋の台風シーズンに巻き込まれたのだ。過去50年で最悪の台風が台湾に接近する中、乗組員は総出で船を離礁させようとする。一方、8,000(約13,000キロ)マイル離れたアメリカ・コネチカット州では、サルベージチーム・タイタンが異例の救難活動を行っていた。2,000トン超の乾ドックを陸に引き揚げようというのだった。
太平洋を横断し、台湾全体に甚大な被害をもたらしたモーラコット台風(台風8号)。そのまっただ中、一隻の船が墾丁国家公園沿岸に追い込まれた。岩に繰り返し打ち付けられた船は、やがて建築費数百万ドルの水族館に向かって進んでいく。海岸線に沿って船は移動し、水族館を脅かす。それどころか、万一船が破壊されれば、保護地区の海岸線の環境は大きな危険に直面するのだ。
船の墓場として有名なケープタウン沖の海域で、パナマ船籍のバルクキャリアが座礁した。全長77メートルのセリ1号の積み荷は660トンの燃料と約30,000トンの石炭。強風や大きな音を立ててぶつかる波が、巨大な船を揺り動かす。船はまっぷたつに割れる寸前だ。はたしてこの極端に危険な環境の中、サルベージ・チームは有毒で環境を汚す可能性のある物質を除去できるのか。
モーラコット台風(台風8号)の通過した台湾では、コロンボ・クイーン号を離礁させる試みが続く。被害を再検証した結果、タンカーの状態はひどく、離礁を試みるだけでもすさまじい努力が必要なことが判明した。一方、別の嵐がアメリカ東海岸を襲い、嵐が通過した地域に壊滅的な被害を与えていた。はしけのラ・プリンセサ号は荒れた海と強風のため制御不能になり、バージニア州の海岸線に向けて一直線に進んでいた。このまま進めばバージニア・ビーチの桟橋を直撃する。はたしてサルベージ・チームは、更なる被害が出る前に船をくい止めることができるのだろうか。
商船ガブリエル号はポンタデルガダに向かう途中、アゾレス諸島で座礁した。目的地まであとわずか10海里の地点だった。当時、ガブリエル号には馬場馬術で受賞歴のある馬が7頭乗っていた。サルベージ・チームが今まで一度も経験のしたことのないタイプの積み荷だ。船は燃料タンクとエンジンルームが破損している。手遅れにならないうちに生きた積み荷を救い、原油漏れを防ぎ、同時に船を離礁させるという大きなプロジェクトが始まった。