イタリアはボローニャの30キロ北、サンターガタ・ボロニェーゼにはランボルギーニの工場がある。ブランド最速、350台限定のムルシエラゴSVもここで作られる。1台45万ドルのこの車は、スタートから3.2秒で時速100キロまで加速し、最高速度は時速340キロだ。エンジンからボディ、塗装から組み立てまで、ほぼすべてが手作りで、有名なシザードアの取り付けも手作業だ。全車が特注製なので1日に完成するのは2.7台だ。
ファントムは1998年にロールス・ロイスがBMWの傘下に入ってから、最初に発表された車だ。ボディを組み立て、最初のペイントまで終えると、ロールス・ロイス用の施設に送られる。1台の製造時間は平均450時間で基本価格は38万ドルだが、標準装備の長いリストがある。75平方メートルのバイエルン産の皮を使用したイス、木製の装飾などがグッドウッド工場で取り付けられ、カスタムメイド・プログラムに続く。
2009年現在、36ヶ国に296の店舗を持つイケア。個性的なデザインと手頃な値段が特徴で、1年に6億人がイケアの製品を買う。イケアではティースプーンから居間のデザインまで、住居全体を様々なスタイル、色、モデルでデザインし製造して提供する。扱う製品は1万アイテムに及び、54ヶ国で生産されている。ポーランドのズバツィネクには、イケアでは世界最大のウッド製品の工場があり、1年に200万個のテーブル、イス、ソファー、リクライニング・チェアを製造しているし、その近くの工場では、布や皮張りクッションが付いた家具が毎日500個生産される。南スウェーデンでは3つの優秀な工場が主力商品を作っている。アルムフルトでは全製品の試作品が作られ、先進的な大量生産方式の工場で最先端のキッチンが作られる。またクラシカルな本箱はカティルストープで作られ、多くのイケアの家具の素材となる丈夫なボードはフルツフレードで作られる。
ドイツのネッカースウルムにあるアウディR8の工場にカメラが潜入。優勝したR8レースカーをモデルにしたロードカーの製造に密着する。R8はアウディが持っていたエレガントなセダンのイメージを覆す、ポルシェやランボルギーニのライバルと呼ぶにふさわしいスポーツカーだ。ルマンを制したR8レースカーの流れをくむミッドエンジン、2シーター、爆発的なパワーとスムーズな乗り心地が特徴だ。ここ数十年で同社が開発した新技術の結晶でもあり、超軽量スペースフレーム、ハイテク燃料注入装置などが導入されている。
2007年の発売以来、この車は「アイアンマン」「トランスフォーマー」「CSI:マイアミ」「セブンティーン・アゲイン」など映画やテレビにも数多く使われている。世界中のスポーツカーマニア、カメラマン、自動車業界のジャーナリストらの注目を集める車なのだ。
ポルシェ911の組み立てラインに潜入するとともに、世界に旋風を巻き起こした1964年の発売からの歴史をたどる。現在のポルシェ911は世界を代表するスポーツカーだ。第1台目から同じ工場で作られており、今では14種類のバリエーションがある。トップスピードが時速300キロの、ポルシェにしては控えめな911カレラから、トップスピード312キロを記録する、街を走るレースカー911GT3まで様々だ。色、スタイル、そして気難しいドライバーでさえ納得するスピードを実現するのは、ドイツのシュトゥットガルトにある究極の工場だ。
今回は数百万の乗客を運ぶ鉄道車両の製造現場に潜入する。地下鉄車両R160はニューヨーク市に導入された最新の車両で、100年以上の歴史を誇る大量輸送機関に21世紀レベルの安全と革新的なテクノロジーをもたらした。液晶スクリーン式の地図や乗客用緊急インターコムが導入されたほか、防音とブレーキのシステムは発電が可能で、第三軌条のレールに電気を戻せる。人間の技術と火と鋼鉄の合作ともいえるボディの外枠は、ブラジルのサンパウロで作られる。その後1ヶ月の旅をして、最後の組み立て、モーターの取り付け、そして試運転のためにニューヨーク州ホーネルに到着する。組み立てられたR160は約39トンで約39キロの長さのワイヤが使われている。車両の耐久年数は40年で、世界一過酷な都市ニューヨークで、1年に160億人を乗せて走る。