ローマ帝国に築かれた最大の建造物、コロッセオ。その起源をひもといていこう。イタリア各地に出向いて調査を実施し、ローマの絶大な権力の象徴だったコロッセオと、そこで開催されていた剣闘士の闘技会の成り立ちを解き明かすのだ。コロッセオの敷地で新たに発見された考古学的証拠からはこの円形闘技場の真のスケールが明らかになる。こけら落としの試合が開催された時、果たしてコロッセオはどのような姿をしていたのだろうか?
最新の研究が解き明かすコロッセオの真実。歴代のローマ皇帝はコロッセオをどのように利用し、広大な属州を統一して帝国を最盛期に導いたのだろうか。帝国領の各地に残る遺跡や剣闘士の遺骨の分析によって、戦士たちの生活や訓練の実際が明らかに。実験考古学では当時人気を博した剣闘士の対決を再現。コロッセオの地下の発掘調査では、出土した動物の骨や植物の残骸からアリーナでの猛獣狩りや舞台装飾の様子が浮かび上がる。
コロッセオとそこで催される剣闘試合は1世紀以上、ローマ帝国の威光を世に示し続けていた。ところが、コロッセオの敷地から最近発見された硬貨はこの黄金期の帝国に危機が忍び寄っていたことを示唆している。コロッセオがローマの衰退と滅亡に果たした役割とは何だろう?新たな遺物が示す、コロッセオの終わりの日々とは?考古学者がオーストリア、チュニジア、ローマの遺跡を調査し、帝国が崩壊するまでの歴史を解き明かす。