多様性に満ちたサンフランシスコでは、天然酵母のパン“サワードウブレッド”が長く愛されている。カウンターカルチャーの拠点であるベイエリアでは、工場で作られる量産パンに対抗して、サワードウブレッドがうまく受け入れられた。パン職人たちはサワードウへの熱い想いを語る。しかし、ベーカリーを運営するには様々な課題が伴うのも事実。パン作りをとおして やりがいを見つけようとするパン職人たちの姿も必見だ。
かつてマヤ文明が栄えたグアテマラ。古くから食されてきた在来種のトウモロコシを使ったトルティーヤは国民食として親しまれる一方、植民地化の影響で卑しい食べ物として見下され、作り手の女性たちも不当に軽視されてきた。近年、気鋭の女性シェフと起業家を中心に、トルティーヤに対する社会の意識を高め、伝統的な食文化と在来種の食材の価値を再認識させることで祖国の文化と伝統に誇りを取り戻そうとする動きが出ている。
今回 訪れるのは 1人あたりのパンの年間消費量が世界一といわれるトルコ。かつて栄華を誇ったイスタンブールの人々がこよなく愛するパンを紹介する。家族経営の店で昔気質の職人が作るのはゴマたっぷりの“シミット”。イスラム教の断食月にだけ食べられる“ラマダンピデ”も人気のパンだ。さらに、貧しい人たちにパンを贈る取り組みや物価高にあえぐ庶民のための公営ベーカリーなどパン大国ならではの文化にも焦点を当てる。。