イタリア南部の海岸近くに栄えた都市、ポンペイ。西暦79年に起きたベスビオ火山の大噴火により、数百万トンもの火山灰や瓦礫に埋もれ一瞬にして消滅した。最後の瞬間を迎えるまで、どのような人々がどのような生活を送っていたのだろうか。発掘調査を進める考古学チームは、邸宅の中に隠れていた奴隷の部屋や、解放奴隷が築いた大邸宅を見つける。のどかな古代ローマ都市で暮らしていた、名もなき下層階級の人々の生活に迫る。
私たちの心をとらえて離さない、古代ローマの剣闘士。最も有名なローマの円形闘技場コロッセオでは、修復チームが建物に防腐処理を施し、歴史的建造物を後世に残そうと尽力している。どのような人々が剣闘士となり、どのように民衆を魅了したのだろうか。遠く離れたトルコで新たに発見された立派な円形闘技場や剣闘士の墓石から、彼らを取り巻く真実を読み解いた結果、剣闘士の戦いについて、従来のイメージが覆ることとなる。
皇帝トラヤヌスの治世に、中東まで支配地域を広げ領土を最大にしたローマ帝国。焼け付くような暑さの砂漠地帯をどのように手に入れたのか。その謎を解明するべく、ヨルダンにある失われたローマ都市カピトリアスへと向かい、美しいフレスコ画に囲まれた埋葬室や、豪華な劇を上演していた劇場の発掘を進める。さらに岩壁に囲まれたペトラ遺跡の神殿での調査では、ローマ帝国がどのように支配力を維持していたのかが明らかになる。
長きに渡り、総面積数百万平方キロにも及ぶ陸と海を支配していたローマ帝国。一体何が400年以上にわたる地中海支配を可能にしたか。その謎に迫るため、イタリア、クロアチア、ドイツの国際考古学チームによって調査が行われている。クロアチアでの1世紀のローマ船の発掘や、イタリアのナポリ湾に沈んだ大きな商業港プテオリでの調査、そして2隻の復元船による検証を通し、ローマ帝国による地中海支配の土台が明らかになる。
2世紀に最盛期を迎えたローマ帝国。領土はヨーロッパ・アフリカ・アジアの3大陸にまたがり、世界人口の4分の1にあたる人々が暮らしていた。その広大な領土をどのように維持していたのか明らかにするため、5000キロ以上にわたって伸びる国境線を調査する。すると、国境線に築かれたハドリアヌスの長城沿いにいくつもの巨大な防衛施設を築き、恐ろしい兵器を駆使しながら、侵攻する異民族を迎え撃っていたことが分かった。
長きにわたるローマ帝国の歴史の中で、最も悪名高き皇帝として知られるネロ。悪人像の裏にはどのような真実が隠れているのか。バチカン市国の隣に位置する区域での新たな発掘調査により、古文書でしか存在が確認されていなかったネロの私設劇場を発見。ネロの故郷アンティウムや、古代ローマ時代の共同墓地での調査を通し、元老院から国家の敵のみなされ転落していったネロの運命と、彼の悪人像が形成された過程を明らかにする。