捕食者と獲物との戦いでは、必ずしも強さや力だけを競い合うわけでなない。暗闇に何が潜んでいるのか。それを知っているか知らないかで生死を分けることもある。野生の動物たちの中には人知を超えた特殊能力を持つ者がいる。暗闇に順応できる視力だけではなく、磁場や臭い、温度、かすかな音、超音波、微弱な電気などを感知する能力だ。見えない物を制す特殊能力こそが、生き残りの鍵なのである。
自然界で生き残るには強い力さえあればいいというものではない。その点、第六感と呼ばれる並外れた感覚を持ち合わせた動物たちは、たくましい。動きの速い獲物に対しても、その感覚で位置を把握し、優位に立つことができるし、突然の悪天候でもそれを逆手にとって役に立てることができる。また普通の動物には見つけられないような難しい場所でもエサを見つけることができるのだ。
動物たちは生き残りをかけ、カムフラージュや擬態を駆使する。人間の想像をはるかに超えた緻密な戦略は、もはや、たくみの技と言えるだろう。トラはトレードマークのしま模様をカムフラージュに使い、カマキリは魅力的な蘭へと擬態。様々な警戒声を完全コピーする鳥や、鮮やかな色を使いこなすイカもいる。空、陸、海、それぞれの世界で繰り広げられる芸術的なトリックの数々をとくとご覧あれ。
野生動物たちは、恐ろしい捕食者から逃れたり、敵意むき出しのライバルと争ったりしながら、日々生きるか死ぬかのバトルを繰り広げている。時に戦いの世界では、ただどう猛な強さだけが上回っても勝てないことがある。それより、命知らずの離れ技や、隠れた探知力、そして予想外の秘密兵器といった能力のほうが生き抜くのに役立つことがあるのだ。驚異の特殊能力は動物たちのサバイバル術そのものだ。
長年の進化と共に築き上げてきた動物たちの生存戦略。相手の裏をかき、他者よりも優位に立つための隠し技は、まさに高精度の武器そのものだ。ジャングルを滑空するトカゲ、プロボクサー顔負けの最強パンチをさく裂させるシャコ、お尻から化学物質を放出するゴミムシなど、それぞれの奥義によって生存競争を勝ち抜いてきた動物たち。厳しい自然界で繰り広げられる見事な“天然の秘密兵器”の数々を紹介していく。
自然界の掟、それは食うか食われるか。捕食者を避けたり、縄張りや食べ物、交尾相手をめぐる争いを回避したりすること、それはすべての生き物にとっての優先事項だ。でも攻撃する前に必要なのは自分の身を守る力。長年の進化を経て、動物たちは敵から逃げたり敵を退けたりするための効果的で意外性のある防御能力を身に着けるようになった。そんな動物たちの驚きの姿に迫る。