イタリア側のアルプス山脈で登山中の夫婦が、氷河に埋まった人間の遺体を発見した。当初は遭難者と思われたが、調査の結果、5200年前に生きていた男性と判明。さらに遺体の周囲からは、数々の貴重な遺留品も発見された。なぜ彼は、標高の高い場所にいたのか。そして、奇跡的ともいえる保存状態のわけとは? さらに詳細な調査を進めると、驚くべき死因が判明するーー彼は世界最古の殺人事件の被害者だったのだ。
古代の王たちが即位の儀式を行っていたアイルランドのクロウハンヒル近くの湿原で、首と胴体の下半分を切断された遺体が発見される。通報により駆けつけた警官は、その遺体が現在の殺人事件の被害者ではなく、数千年前のものであることに気づく。明らかに残酷な方法で殺害された男性と思われる遺体を考古学者たちが調べたところ、爪や髪、そして胃の内容物から、彼が鉄器時代を生きた特別な存在だったことが明らかになる。
1904年、オランダのウェーリンゲ郊外にある泥炭地から、2体の遺体が発見された。1体には惨殺された痕が確認され、もう1体の死因は不明だったが、その大きさと抱き合うような姿から、結婚していた男女だろうと推測された。それから約1世紀後、当時最新のテクノロジーで詳細な検査を行うと、意外な事実が明らかになる――2人とも男性だったのだ。この2人はどのような関係だったのか? そして、なぜ殺されたのか?
1835年デンマークのヴァイレ近郊の泥炭地から女性の遺体が発見される。歴史学者がその女性の正体を古代の書物や有名なバイキング王と結びつけて発表したことで遺体は王族として扱われることになるが、当初の仮説に異を唱える考古学者が現れて研究者たちの間で論争が巻き起こる。彼女は何者で、なぜ死んだのか。発見からおよそ200年のうちに進化する考古学と科学技術により、彼女の真実の姿が徐々に明らかになってゆく。
デンマークの都市、シルケボー近郊で泥炭を採っていた一家が人間の遺体を掘り当てた。周辺で行方不明になっていた少年かと思われたが、駆け付けた警官のうちの一人が、この遺体は近年の物ではなく、かなり古いものだと気付いた。博物館から専門家が呼ばれ、調査が始まった。遺体は横向きで寝かされた状態で安置され、完璧に保存されていた。彼はなぜ、どのように殺されたのか。葬られていた形状にそのヒントがあるのだろうか?
オランダのイデ村近郊で泥炭を掘っていた作業員が発見したのは、ベルト状のものが首に巻きついた遺体。燃えるように鮮やかな髪色の遺体を見た地元の人々は恐怖におののき、悪魔の仕業だという噂が広まる。しかし考古学者たちの詳しい検査により、この遺体が2000年前の若い女性のものであると判明。一緒に発見された衣類などの考古学的な手がかりが示唆する彼女の死には、目を背けたくなるような悲痛な運命が秘められていた。
ドイツの小さな町で1体の遺体が発見され、衝撃が走った。切断された、身元の知れない古い遺体。首のない胴体には、刺されたり殴られたりした跡が残っていた。切り離された頭部は、胴体から3メートルほど離れた場所で見つかったという。死者が墓から蘇るゾンビ伝説が関わっていたのではないかという説もあったが、考古学者達の調べにより、古代、人間が生贄として捧げられていたことを示す証しである可能性が高まっている。
アルゼンチンにある標高6700メートルのユーヤイヤコ火山。その頂上という非常に過酷な環境で発掘作業に臨んだ考古学者チームは、凍った土の中から驚くべきものを発見する。それは眠っているように安らかな表情の子供たちのミイラだった。凍てつく乾燥した環境で完璧に近い状態で保存されていたミイラたちは一体何者で、なぜそのような人里離れた場所に埋葬されたのか。考古学者の研究により、古代の人々の生活が明らかになる。