ライオンが自分よりも体の大きいスイギュウやシマウマを捕食することができるのはなぜか?獲物に狙いを定めた瞬間から狩りの各段階を細かく分析し、成功の要因を解き明かす。群れから離れ、単独で子育てするメスライオンは思うように狩りができず、狡猾な方法で獲物を手に入れる。一方、獲物が減った乾期、精鋭揃いの群れは陸上で最大の動物、アフリカゾウを仕留めるために綿密な計画を立て、完璧なチームワークで攻撃を繰り出す。
陸上で世界最速を誇るチーター。卓越した加速力で獲物を追い詰め、一瞬で命を奪う。並外れた身体能力を持つものの、それだけでは一流のハンターにはなれない。母親による18カ月にわたる特訓で狩りの腕を磨くのだ。メスは大抵、単独で狩りをする。狙うのはアンテロープなど。トップスピードを維持できるのはわずか30秒であるため、戦略が成功の鍵を握る。一方、オスたちはチームを結成し、自分の体の4倍ほどもあるヌーを狙う。
地球上の生き物の中で最も噛む力が強いナイルワニ。水中に身を潜め、川岸にやってきた獲物を狙う奇襲攻撃の達人だ。ナイルワニにとって最高の季節はオグロヌーやシマウマが大移動を行う時期。タンザニアのマラ川とグルメティ川流域で、川を渡る獲物を仕留めようと待ち構えている。マラ川に生息する種の中で最大級のオスはヌーを果敢に狙う。一方、グルメティ川で暮らすメスは川岸に産卵し、卵がかえるまで90日もの間守り続ける。