ミナミセミクジラやマゼランペンギン、オタリアなどの海洋生物が子どもを出産するため、5000キロにおよぶアルゼンチンの海岸線にやって来る。生まれてきた野生動物の子どもにとって大事なことはただひとつ。生き延びることだ。シャチは特殊なテクニックでオタリアを襲い、カモメは容赦なくクジラの子どもを空から攻撃する。このエピソードでは素晴らしい水中撮影映像が動物たちの感動的なシーンを映し出す。
荒々しくも美しいアルゼンチンの大地。そこでは、毎日が生き残りをかけた戦いだ。険しく乾燥した高地は空気も薄く、天気は瞬く間に変化する。そこには捕食動物たちも暮らしている。ピューマは獲物のグアナコを求めて峡谷をさまよい、タランチュラは決死の繁殖に臨む。キツネが必死に肉をあさっていると、コンドルたちが集まってくる。そんな生き物たちの攻防にかかわらず、巨大な氷河はゆっくりと移動を続けている。
豊かな水に恵まれたアルゼンチン北部。世界三大瀑布の1つであるイグアスの滝や、広大なイベラ湿原、枯れ木が立ち並ぶエストレージャ湿地など、驚異の景観が点在する。またそこに住む生き物たちもユニークだ。世界最大のげっ歯類カピバラや、滝のカーテンに隠れて暮らすオオムジアマツバメ、蛍光するカエルなど、この地の環境に見事に適応している。しかし豊かな水の楽園にも、気候変動と森林伐採による影響が迫っていた…。