世界の紛争地帯を飛行する民間航空のパイロットはさまざまな問題や危険に直面する。その中には誤射や誤爆あるいは敵対勢力による意図的な攻撃がある。イランの民間旅客機はアメリカ海軍のミサイル巡洋艦が誤射したミサイルで撃墜された。ベトナムの孤児を乗せたアメリカ空軍の輸送機は悲劇的な爆発に見舞われる。さらに、戦争末期のイラク上空ではアメリカの民間航空貨物機が敵対勢力に地対空ミサイルで攻撃され機体が大破した。
離着陸を急ぐあまり注意散漫になったパイロットは重要な手順を省略し、危険な兆候を見落とし、致命的な決断を下してしまう。アムステルダムではトルコ航空機が軽微な不調から重大事を見落とし滑走路手前に墜落。大雪に見舞われたデンバーでは遅延に焦るパイロットが基本的な手順を無視してしまう。そしてニュージーランドでは、着陸ギアのトラブルに苦戦する副操縦士に気を取られた機長が着陸進入を誤り丘陵地帯に墜落してしまう。
気付かぬうちに進行する飛行機の金属疲労。原因は自然劣化から修理不良までさまざまだ。旅客機が徐々に劣化した部品の突然の破壊によって悲劇に突き落とされる。タヒチではターボプロップ機のすり切れた昇降舵ケーブルが離陸上昇中に切れて海に墜落。日本では離陸した747ジャンボの機内で爆発が起き、尾翼が吹き飛んで関東の山に墜落。また、マイアミでは水陸両用機の主翼が飛行中に折れて吹き飛び、観光客の目の前で墜落する。
広い空では同じ時間同じ場所で2機が出会い頭の事故を起こすなどあり得ないように思える。調査官たちは3つの空中衝突事故を深く掘り下げていく。全国的なレーダー網がなかった時代、グランドキャニオン上空の無制限空域で2機の旅客機が衝突する。フランスでは短距離旅客機が客の求めに応じて観光しようと回り道をして大惨事となる。ブラジルでは、新米管制官がとんでもない勘違いをしてアマゾン上空を飛行中の2機を衝突させる。
卓越した技能を持つパイロットが絶体絶命のピンチから機体を救う。サウスウエスト1380便は離陸上昇中に左エンジンが爆発。破片が窓を破り乗客が吸い出される。ハワイのアロハ航空は飛行中にボーイング737の屋根部分が大きく吹き飛び、客席がむき出しになってしまった。エア・カナダ797便は後部トイレ付近から異臭と煙が充満、パイロットは奇跡的な緊急着陸を成功させるが、その直後乗客の脱出中に客室部分が炎上する。
パイロットに適切な知識と技能を身につけさせなければ大惨事を招く危険性が大きく高まる。カリブ海を横断する旅客機が激しい乱気流に遭遇。事態を見誤ったまま高高度から墜落した。スコットランド沖では小型機が目的地の手前で落雷を受ける。パイロットは訓練の通りに動くが機体は動かず海に向かって急降下を始める。そしてロシアでは、有名なアイス・ホッケー・チームの遠征用チャーター機がなぜか離陸に失敗して全滅してしまう。
電子機器に致命的なエラーが発生した3機。アリタリア航空の上級パイロットはチューリヒの滑走路からわずか数キロ手前の山にDC9を墜落させてしまう。パースへ向かうカンタス航空機は突然インド洋に向かって急降下する。ベネズエラではターボプロップ機のパイロットが重要計器の起動完了を待たずに離陸してしまった。そして迷子になったあげく墜落してしまう。調査官たちは飛行中に起きた重大なシステム障害の原因を探していく。
最悪の航空事故とは、機械の故障ではなく人間の判断ミスによるものと言えるだろう。パイロットの重大なミスが旅客機を墜落させる。名古屋では自動操縦に気付かぬパイロットがコンピューターと争ったあげくに墜落。アイルランドでは劣悪な環境に置かれたパイロットが悪天候のなか致命的な判断ミスを犯す。シベリア上空では、機長が恐ろしい判断ミスで子供を操縦席に座らせ、システムの一部解除に気付かないまま墜落させてしまう。
極端な気象現象は時に航空機を破滅の淵に追い込む。3機の航空機が恐ろしい風の餌食となり、調査チームが原因究明を託される。ノースカロライナ州シャーロットに最終進入をしていたUSエアー1016便はマイクロバーストによって地面に叩きつけられた。ペルーを飛行中のタンス航空204便は沼地に墜落し、1キロ半に渡り密林を切り裂いた。アメリカではハリケーンの目に飛び込んだ気象観測用の調査機が絶体絶命の窮地に陥る。
破壊工作により3機の旅客機が墜落する。エチオピアで旅客機がハイジャックされ実現不可能な要求を突き付けられる。機長は燃料切れで墜落する機体をなんとか不時着水させようとする。イタリアの旅客機が地中海上空で分解した。ミサイルの誤射か時限爆弾か。調査官たちはなんとか真実を究明しようとする。アフリカの旅客機がナミビアに墜落した。フライトレコーダーを調べる調査官たちは背筋も凍る信じられない結論に達する。