ナショナル ジオグラフィック

密着!麻薬捜査vsカルテル

原題: Drug lords: the takedown
密着!麻薬捜査vsカルテルの写真

番組内容

史上最も悪名高い麻薬王たちが、いかにして逮捕され失脚したのか。身の毛もよだつような恐ろしい出来事を、当時の特別捜査官や情報捜査官、麻薬カルテルの密告者らとともに振り返る。実に狡猾なコロンビアのコカイン王“チュペタ”から、ヘルズ・エンジェルスのカナダ支部の殺人鬼“マム・ブーシェ”まで、世を震撼させた麻薬王の生々しい逮捕劇を、捜査に関わった当事者の目線で追う。

■60分×10話

エピソード

「 コロンビアのコカイン王:オトニエル・ウスガ 」

21世紀のコロンビアのコカイン王、オトニエル・ウスガは、兄と共に麻薬密売組織「クラン・デル・ゴルフォ」を設立し勢力を拡大していく。国家警察に兄を射殺された後も、オトニエルは山間部の密林に潜伏したまま巧みな手腕で巨大組織を率い、他国を相手に数十億ドル規模の取引を継続していた。2021年の検挙からアメリカへの身柄引き渡しまで、コカイン王の逮捕に至る紆余曲折を関係者の証言をもとに振り返る。

「 謎のカルテル:ノルテ・デル・バジェ 」

1997年、薬物犯罪による資金洗浄の横行するニューヨークで、とある資金移動業者によるコロンビアへの不正送金が発覚。捜査を進めると、全てを操作しているのは正体不明の麻薬組織「ノルテ・デル・バジェ・カルテル」であることが判明した。カルテルを壊滅させるべく、捜査チームはコロンビア警察と連携し、主導者であるブスタマンテおよびアルカンジェルを追跡。その経緯を当時の捜査に関わった人物たちとともに振り返る。

「 はびこるチャイナホワイト 」

1980年代、ニューヨークで安価なチャイナホワイトが流行し始める。FBIの麻薬捜査班は捜査を進めるも主要人物が次々とアジア諸国へ雲隠れし、全容をつかめずにいた。同じ問題に悩むトロント市警とFBIが協力した結果、カナダからニューヨークのアジア系、イタリア系組織が連なっていることが判明。中国の紅衛兵をルーツに持つギャング「ビッグサークルボーイズ」が背後にいることが次第に明らかになる。

「 リバプールの麻薬王:カーティス・ウォレン 」

1981年、リバプールではトクステスでの暴動を機に街にドラッグが蔓延するようになった。そんな中現れたコカイン密売人カーティス・ウォレン。当局は彼が手配したとされるコカインを見逃し、翌年にはあと一歩のところで逮捕のチャンスを逃してしまう。その後ウォレンはオランダに逃亡。一時は行方を見失うも、傍受により居場所を突き止めた捜査チームは強襲を計画し犯人逮捕に踏み出す。狡猾な麻薬犯の逮捕劇を関係者と共に振り返る。

「 潜入捜査:麻薬カルテルとヒズボラ 」

2000年代、アメリカの路上にまん延したコカイン。その流通網を断ち切るべく麻薬取締局はコロンビアのメデジン・カルテルの流れをくむ組織「ラ・オフィシナ・デ・エンヴィガド」に目をつける。主要メンバーがスペイン語ではなくなぜかアラビア語を話していたことから、レバノン出身の捜査官が潜入捜査を開始。やがて組織がイスラム過激派組織ヒズボラとつながっていることも明らかに。急展開の連続だった緊迫の潜入捜査を振り返る。

「 コカイン界の帝王:チュペタ 」

1993年、ニューヨークのクイーンズで起きた2件の殺人事件。警察の捜査線上に浮上したのは、"チュペタ"と呼ばれるコロンビアの麻薬密売人だった。麻薬殺人の捜査チーム"レッドラム"との連携で男を追うも、チュペタは国外逃亡。捜査は難航する。だが2007年、ブラジル警察からの情報により状況は一転。ついに大物密売人の逮捕なるか。ニューヨークを牛耳ったコロンビアの大物密売人。その逮捕劇を証言者と共に振り返る。

「 コロンビア革命軍:左派ゲリラの麻薬事情 」

2000年代、米国の麻薬取締局が、左派ゲリラ・コロンビア革命軍がコカインの密売に関わっているかもしれないという情報をキャッチ。捜査官たちは捜査の必要性を訴えるが、上層部は他国のゲリラとの戦いには関心を示さない。当時、在ボゴタ米大使館の関心事はゲリラに拘束された捕虜の救出だった。諜報活動で組織の内部情報に通じていた麻薬取締局も協力し、コロンビア革命軍の指揮官をだます形で大胆な救出作戦が決行される。

「 ケベック・バイカー戦争:モーリス・ブーシェ 」

1990年代、コカインが流行するカナダのケベック州でドラッグの利権を巡るバイカーギャングの抗争が勃発した。ヘルズ・エンジェルスのケベック支部を率いるモーリス・ブーシェは、敵対するロック・マシーンを味方に引き入れ組織を拡大。当局の人間を狙う殺人事件を機に、ヘルズ・エンジェルスと当局の戦いの火蓋が切られた。大々的な捜査と不正な判決。ブーシェの逮捕から有罪に至る経緯を、当時の捜査関係者らと共に振り返る。

「 カルテルを支配したアメリカ人:ラ・バービー 」

2000年代、メキシコのカルテルのトップにのし上がったアメリカ人の若者がいた。あだ名は〝ラ・バービー〟。テキサスで育った平凡な少年がいかにして凶悪な麻薬王となったのか、その道筋を追う。麻薬の所持で逮捕されメキシコに雲隠れした彼は、ベルトラン・レイバ・カルテルの傘下に。そんな中、メキシコの大統領が麻薬組織との戦争を宣言。取り締まりが強化される中、ラ・バービーはアメリカ政府にある取り引きを持ちかける。

「 正体不明の麻薬王:ロコ・バレラ 」

2006年、麻薬取締局のボゴタ支部に、コロンビア警察から捜査の依頼が入った。ターゲットはロコ・バレラと呼ばれる大物密売人。顔も名前も分からない、正体不明の麻薬王を追う大捜査が幕を開けた。水面下でコロンビア革命軍やコロンビア自警軍連合と手を組み、政府各所をカネで買収しながら、やがて世界へと勢力を伸ばしたロコ・バレラ。逃亡先のベネズエラで彼を待ち受けていた運命とは?

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