財政破綻で苦境が続くデトロイト。10月31日のハロウィーンの夜、人々はハメを外しクラブで大いに盛り上がる。パーティー会場で特に売れるのが興奮剤モリーだ。ここぞとばかりに売り上げを伸ばそうとするディーラーたちは当日に向けモリーの仕入れを急ぐ。地域を分断する通り“エイトマイル”周辺で攻防を繰り広げる郊外の警察とディーラーたち、川の対岸から流入してくるカナダ産モリーを警戒する税関国境警備隊の戦いにも密着。
アメリカのポルノ業界に蔓延するドラッグ。ポルノ女優としてデビュー後、現在では制作者として自ら撮影を行うアマンダ、コカインの使用が世に知れ渡り悪評を買ったポルノ女優のケイシー、元コカイン中毒のポルノ女優で牧師を目指すブリトニー、新人ポルノ女優のイーヴィーらが登場し、自らのドラッグ経験を赤裸々に語る。また、ポルノ業界のディーラーたちの戦略や活動を追い、ドラッグ依存の恐ろしさを暴き出す。
ストリートでの生きざまをラップに乗せて歌い上げるヒップホップ。ドラッグの売買に関わり有罪となった大物アーティストは数知れず。大成することを夢見てドラッグを売ったカネを元手に音楽活動にいそしむラッパーの卵、マリファナやコカインをキメて各地のライブ会場を回る人気グループ、会場に集まったファンにエクスタシーを売りさばくディーラーなどに密着し、ヒップホップカルチャーとドラッグとの根深い関係を探る。
コカインの需要が非常に高いニューヨーク。その巨大ビジネスの主な仕入れ先となっているのがドミニカ共和国だ。ドミニカの密輸組織にとってコカインが高値で売れるニューヨークは特別な街だという。密輸には当然リスクを伴うが、ドミニカのカルテルは警察をカネで買収し、様々な手段でコカインを送り込んでいる。コカインにより身を滅ぼした人々、ドミニカの腐敗した国家組織、コカイン流入の阻止に尽力する人々の姿を追う。
世界的なハイテク企業が集まるシリコンバレー。この地で働く技術者たちは高給取りで勤勉。24時間、働き詰めの彼らの強い味方がコカインだ。独特な文化はメキシコのカルテルにとってもおいしい市場を生み出しているが、その供給網を断つべく国境警備隊も追跡に奔走する。大仕事を前にコカインが欲しい技術者、メスを使用しホームレスになった元プログラマーなどに密着し、ハイテク産業とドラッグとの関わり合いを探る。
世界のライブミュージックの都、テキサス州オースティン。毎年音楽フェスティバルで賑わうこの街には、大勢のディーラーが集まり、熾烈な戦いが繰り広げられる。中でも一番の人気はメスだ。隣国メキシコから、国境の川を泳いで渡りメスを密輸する運び人、仕入れたメスを路上で売り歩く者、ライブ会場に入り込み商売する者、そうした違法ビジネスを取り締まる警官たち。それぞれが目標を掲げ命がけで試行錯誤する先にあるものとは?
アメリカで最も住みやすい街と言われるペンシルベニア州ピッツバーグ。鉄鋼業で栄えた風情ある街が今、ヘロインに侵されている。混ぜ物をした粗悪なヘロインによって過剰摂取に陥り死亡する人々も激増した。郊外に新たな価値を見いだした街のヘロイン王は、処方薬に依存する人々に自分たちのヘロインを売りつけようともくろむ。離脱症状に苦しむユーザーの過酷な現実、捜査機関とディーラーたちのし烈な戦いに密着する。
西アフリカに位置するガーナは、コカインの供給網における新たな拠点だ。南米ペルーから仕入れたコカインは、ガーナ、ナイジェリアを経由しヨーロッパへと密輸される。最終地点のヨーロッパに上陸すると、コカインの価格は何十倍にも高騰。運び人たちはあらゆる手を使い必死で密輸を試みる。コカインの流出入を阻止するべく、様々な策を講じる当局。密輸組織と警察の終わりなき戦いが繰り広げられる。
ニューヨーク郊外、スタテンアイランド。美しい海岸線をのぞめる閑静な住宅街がいまヘロインの餌食になっている。医師が過剰に処方薬を供給した結果、住民の若者の多くが同じオピオイド系のヘロインに依存。若者を狙い戦略的にヘロインを流すディーラーや、隣接するニュージャージー州の警官たちが、島へのヘロインの流入を食い止めるべく最前線で戦う姿にも密着する。
オーストラリアで近年大流行中のメス。中国から仕入れたメスを国内で売り捌くのは「バイキー」と呼ばれるバイカーギャング集団だ。国内へのメスの流入や流通を阻止すべく、警察はバイキーのアジトを一斉強襲。メスの摘発に全力で取り組む。独自の手段で戦いに挑む三合会、水際対策を強化する税関国境警備局。相場価格がアメリカの3倍ともいわれるこの国では、メスを巡る争いが激化の一途を辿っている。
北米で最も住みやすい街の1つと言われるカナダ、バンクーバー。その郊外に位置する緑豊かな高級住宅街でギャングの抗争が激化。取り締まりの強化を恐れたドラッグのディーラーたちがバンクーバー市街地に流入するようになり、都市圏のドラッグ市場が変化している。郊外から街中へ移りクリスタル・メスを売り始めたディーラーは宅配サービスが大当たり。銃撃事件を阻止しようと戦うギャング対策部隊の姿も追う。
世界経済の中心地ウォールストリートで、日夜寝る間も惜しんで働くエリートたち。彼らの成功の裏には、誰にも言えない秘密がある。コカインなどのドラッグを常用し仕事に打ち込む彼らにとって大事なのは、値段よりも品質。そしていかに早く手に入るかだ。羽振りのいい客を逃すまいと、ディーラーたちはニューヨークの厳重警備をすり抜け、ライバルとのスピード勝負に挑む。裕福なコミュニティに蔓延するドラッグの問題を追う。
ほほえみの国、タイ。観光客に人気の国がいま、ヤーバーと呼ばれるドラッグであふれている。メタンフェタミンとカフェインを含む錠剤は価格が安く低所得の労働者を中心に爆発的な広がりを見せる。地元ギャングは高純度のメタンフェタミンを含み、より高く売れるアイスの販路を広げ一儲けしようとたくらむ。ミャンマーとの国境を見張る国境警備警察や中国系犯罪組織を追う麻薬取締官などの戦いにも密着する。
メキシコのカンクンでは、春休みになると大勢の学生たちがアメリカからやって来て、連日パーティーを楽しむのがお決まりだ。だが、陽気なパラダイスの陰では、カルテルの縄張りでドラッグを売るホッパー、それを排除しようとするカルテルや殺し屋、腐敗した警察が、それぞれの利益を求めて試行錯誤を繰り返している。危険で残酷な闇の世界の存在など気にも留めず、春休みを満喫する学生たち。激戦の春休みの裏側を暴く。
世界屈指の一流大学が密集する学都、マサチューセッツ州ボストン。街ではいま規制緩和の影響でマリファナが一大ブームに。違法であるにもかかわらず堂々とマリファナを吸ったり栽培したりする者が激増し、警察が手をこまねいている。小遣いの多い名門校の学生たちをカモにするディーラー、自らも大学に通いながら仲間に商品を売りさばく学生ディーラーなど、大学生のマリファナ市場の実態を探る。
カリフォルニア州とニュージャージー州に所在する2つの刑務所にはそれぞれ、ドラッグの取引を仕切る黒幕的存在の受刑者がいる。彼らは刑務所の外にいるディーラーの仲間と連携し、厳重な警備をすり抜け仕入れたドラッグを所内で売り、カネ儲けをしている。蔓延するドラッグを一掃するべく徹底的な監視と検査を行う刑務所職員と、抜け道を探す受刑者たち。彼らの争いの行方はいかに。