南米パタゴニア、トーレス・デル・パイネ国立公園。切り立った山々がそびえるこの地に、メスのピューマ、ソリタリアと4匹の子どもたちが暮らしていた。ピューマの子どもが大人になれる確率は4分の1。ソリタリアは子どもたちのために狩りに励み、生きていく上で必要なことを教える。厳しい冬を越え、氷が溶け始めたある日、ソリタリアは狩りに出たまま帰ってこなかった。これは、パタゴニアの大自然に生きるピューマの家族の物語だ。
ピューマの母、ソリタリアが姿を消し、4匹の子どもたちはそれぞれ荒野へと旅立っていった。幼い子どもたちが生き延びる望みは少ない。しかし1頭だけ、成長して帰ってきたものがいた。メスのカサドーラだ。亡き母の教えを頼りに、カサドーラは狩りの腕を磨き、生き抜く術を身につけていく。やがてオスと出会い、4匹の子どもたちの母となる。最果ての地パタゴニアで、ピューマはこうして次の世代へと命のバトンをつないでゆくのだ。