南米は広大な大陸だ。そこには熱帯雨林から大湿原、サバンナ、塩湖まで様々な環境が存在する。動物たちは生き延びるため環境に適応し、時に奇妙な進化を遂げてきた。水中でシュノーケルの役割を果たす鼻を手に入れたバクや、自前の鎧で身を守るアルマジロ、究極の省エネを実践するナマケモノなど、どこかユーモラスな顔ぶれから、道具を使うオマキザル、オオツチグモなどの無脊椎動物まで、南米を代表する奇妙な動物たちを紹介する。
多様な自然環境に恵まれた南米大陸では動物たちのサイズも様々だ。豊かな大地は数多くの大物たちを育んできた。オオアリクイやカピバラ、オオアナコンダ、オオカワウソ、ガラパゴスゾウガメなど、迫力溢れる動物たちが生態系を支配する。一方、森の奥では、プーズーやコドコド、チロエオポッサムなど、ミニチュアサイズの珍しい動物たちが小さな世界を作り上げている。進化が生んだ生存戦略の不思議に迫る。
南米の動物たちにとって、生きることは戦うこと。パンタナール大湿原のカイマンは大量の魚を捕まえて食べるが、自らがジャガーの獲物になることもある。ベネズエラの森に住むヘラクレスオオカブトは、ナワバリを巡りライバルと熾烈な戦いを繰り広げる。またアマゾンカワイルカは、特殊な能力を使い狩りを成功させる。大自然という戦場で、知恵や力やチームワークを武器に戦う南米の野生動物たちを紹介する。