ヨーロッパで戦線を拡大するため、ヒトラーは同盟国となる相手を探していた。しかしその選択肢は限られたものだった。はじめはソ連と手を組むが、一方的に不可侵条約を破棄。ついにはファシスト体制のイタリア、帝国主義の日本と軍事同盟を結ぶ。しかし、この同盟は信頼関係の上に築かれたものではなく、互いの利害も一致していなかった。奇妙な同盟関係は、やがてナチス・ドイツを破滅へと追い込むことになる。
ヒトラーとゲッベルスが主導し、最新兵器の開発が急ピッチで進められた。戦車、戦闘機、ミサイル、軍艦などが当時の最新技術を駆使して開発されたが、その時には既に戦況は悪化していた。膨大な労働力と費用を費やしたものの、ほとんどの兵器は未完成に終わる。また実戦に投入されても役に立たないことがほとんどで、不利な戦局を変えるには至らなかった。国の威信をかけた一大プロジェクトの裏側に迫る。
第二次世界大戦中、主治医モレルのもとでオピオイド、メタンフェタミンなど様々なドラッグを使用していたヒトラー。ドラッグは、残虐非道な政策をくりだすヒトラーの政権運営にどのような影響を与えたのか。複雑な生い立ちや、第一次世界大戦の従軍経験と合わせて、ヒトラーの人格がどのように形成されたのかひも解く。戦争を指揮する立場でありながら、薬物におぼれた独裁者の真の姿に迫る。
ヒトラーの側近であるゲーリング、ゲッベルス、ヒムラー、ボルマン。権力と富にとりつかれた4人は、ヒトラーに媚びることで、ナチ党のヒエラルキーを駆け上がっていった。ヒトラーの忠実な部下として任務をこなし、結束しているかのように見えた4人だが、裏では互いに嫉妬心を燃やし、相手を蹴落とすことを考えていた。ヒトラーの側近たちから、ナチス・ドイツが戦争に敗れた一因を探る。
アーリア人こそが人種的に優れていると信じ、反ユダヤ主義を掲げるヒトラー。ゲッベルス、ヒムラーらの側近と共に、ユダヤ人商店の不買運動や公職追放など、ユダヤ人排除の政策を次々と打ち出していく。第二次世界大戦が始まると、ユダヤ人への迫害はさらに激しいものとなり、やがて絶滅収容所へ送られることとなる。おびただしい数の犠牲者を出したホロコーストはなぜ行われたのか。その経緯を解き明かす。
開戦当初の順調なスタートに気をよくしていたヒトラーは、フランス侵攻の成功ではずみをつける。そのままイギリスも制圧するかに見えたが、ダンケルクの戦いや、バトル・オブ・ブリテンでは、ヒトラーの失策で目前の勝利を逃してしまう。スターリングラードの戦いやノルマンディー上陸作戦など、第二次世界大戦の転換期となった大きな戦いを振り返りながら、ヒトラーが軍人としてはいかに無知であったかを明らかにする。