ハンター界のアスリート、ネコ科動物。卓越した身体能力を持ち力強さと俊敏さ、鋭い感覚までも兼ね備える。チームプレイで獲物を追い詰める百獣の王ライオン、瞬時に時速100キロに加速するチーター、3メートルの垂直跳びができるカラカル、樹の上を巧みに渡り歩くマーゲイ。世界各地のあらゆる環境に生息するネコ科動物がいかに生存競争を勝ち抜いているのか。優秀な捕食動物のネコ科動物の戦略に迫る。
まるで古代からそのまま現れたかのような見た目とは裏腹に、洗練さと驚きを兼ね備えた生き物、爬虫類。かつて恐竜がそうであったように、彼らも極めて腕のいいハンターである。いつの時代も生息する生態系において欠くことのできない存在である。例えば川の王者であるワニだ。種類によっては、超大型な種も存在する。優秀な水中の捕食者としての役割を果たしてきたことで、今や彼らを脅かす存在はいない。
生と死を分ける瞬間を完璧に見極め、獲物を仕留めるヘビ。どの種類も似たような見た目をしており、生態も一様だと思うかもしれない。しかし実際には多様性を備えた生き物で、狩りの手法も種により様々だ。ゾウを殺すことができる程の毒や長い体を巻きつけ獲物を窒息させるだけではなく、特殊な知覚などを用いる種もいる。彼らの狩りは冷静にして破壊的だ。虎視眈々と機会をうかがい、必殺の一撃を見舞う。
群れで協力して狩りをする動物の最たる例がオオカミだ。オオカミの狩りは固い忠誠心で結ばれた群れの中での順位に従い、極めて効率的に遂行される。彼らを突き動かしているのは、群れの中に存在する厳格な掟だ。そんな暗黙の掟が安定をもたらし、群れは完璧で効率的なハンティング・マシーンと化す。そのおかげで一頭一頭が生き残る確率が上がり、驚くべきイヌ科のハンターたちは今も繁栄を続けている。
クマは自然界の名だたる捕食者の中でも、間違いなくトップクラスに君臨する生き物だ。季節の移り変わりがもたらす環境の変化にクマの暮らしは大きく左右される。そんな非常に厳しい環境でも生き抜けるよう、彼らは見事に適応している。極寒の地での冬眠の準備、熱帯のジャングルでの驚くべき狩りの方法、1日の大半を食事に費やすアジアのクマなど、世界各地に生息するあらゆるクマの知られざる生態に迫る。
水中のハンターたちは、平穏な暮らしとはおよそ無縁だ。この世に生を受けてから息絶える瞬間まで、生死をかけた闘いが止むことはない。深い海の底でも、命をつなぐために戻ってきた山河であっても、天敵の強力なアゴが絶え間なく襲いかかる。彼らの世界はまさしく、「食うか食われるか」だ。そのシンプルな原則にのっとり、太古の昔から今日まで過酷な環境を生き抜いてきた真の強者の生態を明らかにする。