ヨーロッパの中でとりわけ面積の小さいオランダ。かつては他国の支配下にあったが独立を勝ち取り、国際舞台で戦える偉大な国へと発展を遂げた。数々の逆境を、革新的な技術で解決してきたのだ。平坦な土地を利用した風力発電、意外な手段で生産されるチューリップの球根、特殊な方法で栽培されるレタス、水に浮かぶ家、そしてオランダの象徴ともいえる風車など、この国の発展を支えてきた技術を上空からの映像とともに解き明かす。
今回の舞台はイタリア。春、観光客でにぎわうローマとベネチア。ローマではバチカンの陸上チーム、ベネチアでは運河の浚渫船の活動を紹介する。夏は南部のメッシーナ海峡でメカジキ漁、シチリアの活火山エトナで火山学者に密着する。秋、プーリア州のオリーブ農園と、トスカーナ州カッラーラの大理石採石場を訪れる。冬は北部の絶景ドロミーティと、氷のレーシングコースが出現する極寒の地リヴィーニョを上空から眺める。
ヨーロッパの真ん中に位置し、名実ともにヨーロッパの心臓と言えるドイツは、自然が豊かなうえに、経済的なパワーもある。一方で大都市にはとてつもなく大きな工場を持ち、自動車を始めとする工業がさかんだ。そして世界最大級のものを生み出す力もある。一方で広大な森には童話に出てくるような城が点在。しかしどこを見ても、その裏にはドイツ特有の正確な技術があった。ドイツの発展の秘密を上空から解き明かす。
今回の舞台はイギリス。イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドからなる連合王国イギリスは、それぞれの地域が違った景色を持ち、アイデンティティも文化も異なる。また多くの技術者を輩出し、産業革命が起こった国でもある。その確かな技術力は、イングランドにあるジェットエンジンの工場などに息づいている。スコットランドや北アイルランドには雄大な自然が広がり、また違った一面を見ることができる。
「情熱の国」として知られるスペインは、熱い心で激動の歴史を乗り越え、古くからの伝統を重んじつつ、未来のために革新的な発想も取り入れている。セゴビアのローマ水道橋は2千年前に建設され、今もなお住民を見守っているが、最先端の技術が保存に一役買っていた。豊かな自然が育む伝統的な産業にも驚かされる。アニャナ塩田では5千年前から同じ製法で塩が作られているのだ。新旧が融合するスペインの秘密を空からひも解く。
ヨーロッパの中央部に位置する小国ポーランドは、たびたび大国の侵略にあってきた。だが不屈の精神で立ち上がり、技術力や経済の後押しで超大国として頭角を現しつつある。社会主義のおもかげが残る首都ワルシャワや、美しい風景が広がるグダニスクやクラクフの街を訪れる。また、手つかずの自然が残る東部のビャウォヴィエジャの森で、貴重なヨーロッパバイソンに出会う。多様性に富むポーランドの今を上空から紹介する。