乾燥した砂漠が国土のほとんどを占めるエジプト。この国を空高くから眺めると、世界最長のナイル川が南北に貫いている。この川がなければ、古代王国の繁栄もピラミッドの建造も不可能だっただろう。エジプト文明の発展を可能にした鍵はナイル川なのだ。川は現代でも重要な役割を果たし、流域のわずかな土地に人口が集中している。その一方で東部のシナイ半島では、遊牧民や聖カタリナ修道院の修道士が厳しい暮らしを送っている。
現代のエジプトを空から旅し、古い歴史を維持しながらも未来に向かって進めている開発を見ていく。人口が増加して都市部が混雑することから、新しい首都を建設中であるが、この国では首都の移転は初めてではない。古代の首都テーベは現在のルクソールにあった。遺跡の発掘が続き、既存の博物館が手狭になったため、最先端の保存技術を備えた大エジプト博物館の開館が待たれる。その他、紅海沿岸のリゾート地や風力発電所を巡る。