コロンビアとペルーを代表する空港で、大量のコカインが押収された。運び屋たちに迫る。ドミニカに旅行する青年は子供用の収納ケースにコカインを隠していたが、本人が知らないところにもコカインが潜んでいた。売人は嘘の重量を伝えていたのだ。幼い娘を連れた母親が袋入りの食料品と子供服にコカインを忍ばせて運び、逮捕。我が子と別れることになった。ペットボトルに液体コカインを入れた男は観光でペルーに来たと言い張っていた。
コロンビアとペルーの国際空港における麻薬の運び屋と空港警察との攻防戦。出国検査後の搭乗待合室で機内持込手荷物を交換する運び屋。コカイン袋の嚥下(えんか)を否認したまま出発した男は、警察間の国際協力により到着地で逮捕される。同じく嚥下した兄弟のうち、兄は36時間の拘留期限を耐え証拠不十分で釈放されるが、妹は逮捕される。マカ粉末の国際郵便には麻薬検査を欺くため、化学的に偽装されたコカインが入っていた。
空港で運命を翻弄された親子の物語を紹介する。子連れで食料の袋に入れたコカインを密輸しようとした母親と、子供と一緒に偽造書類で国外に出ようとした母親が逮捕され、最愛の子供たちと引き離される。夫婦を装ってコカインを密輸しようとした男女も逮捕され、女は娘に会う自由を失ったことを涙ながらに後悔する。一方でパスポートのない赤ん坊を抱えた母親は入国管理官の奮闘のおかげで無事、孫の顔を両親に見せることができた。
捜査官に激しく抵抗する容疑者たちを紹介する。ドラッグを飲み込んで密輸しようとした2人組の女性は反抗的な態度で捜査への協力を拒むが、X線検査を前に1人が妊娠していると衝撃の告白をする。一方、18歳の女性が食べ物の袋に偽装したコカインを密輸しようとするが、家族は自分を愛していないなど妄想的な発言を繰り返し、捜査官を困惑させる。最後に持ち物から薬が発見され、女性が精神障害を持っている可能性が浮上する。
逮捕されて、親しい人の裏の顔を知る人たちがいる。ある女性は恋人と初めて海外旅行に来た。ところが、彼が買った飲料ボトルをスーツケースに入れてあげたせいで運び屋にされてしまう。そのボトルには液体コカインが含まれていたのだ。義理の息子にだまされた男性、仕事を引き受けたはずが、ついでにスーツケースを届けるよう頼まれたアメリカ人女性、建設現場の仕事を請け負ううちにコカインが隠された荷物を運ばされた人もいた。
麻薬密売はリスクが高い。空港警察に逮捕されても、容疑者たちは見つからないように必死だ。ドミニカ共和国に飛ぶつもりだった男女2人組は夫婦のフリをする。男が自らを危険にさらす決断をしたのは、子供の教育資金が必要だからだ。全身にコカインを密着させていた女性は、商売を始めたくて、また家族を助けるために手を染めた。シリア人の男性は偽造パスポートでヨーロッパへの亡命をもくろみ、家族を呼び寄せるつもりだった。
年配の運び屋と若き運び屋が登場する。69歳のスペイン人女性がコカイン密輸で逮捕されるが、人身売買の前科があった。にもかかわらず、こんな老人が運び屋などするわけがないとシラを切る。一方、まだ少女と言ってもいい19歳の女性は荷造りをしたのは叔母だと捜査官をダマそうとするが、荷物の中から警察に捕まった際の注意書きが見つかる。最後に登場するマーシャル諸島国籍の白髪の老人は、世界各地に麻薬を運ぶ強者だった。
ベテランの運び屋たちは平気でウソをつく。フリーランスの運び屋が1,000キロのコカインの取引情報を持っていると言って減刑を持ち掛けてくるが、ウソであることを見抜いた捜査官たちは相手にしない。またインドネシア人の女性は荷物にコカインが入っていることなど知らなかったとしおらしく主張するが、彼女のバッグにはさまざまな国の紙幣が大量に入っていたのだ。それは各国を渡り歩くベテランの運び屋ならではの持ち物だった。