高度経済成長を遂げた韓国。しかし大都市の喧騒の外では、美しい自然の中に多種多様な生き物たちが生息している。切り立った山、青々とした森林、豊かな湿地、広大な干潟、荒々しい海。そのすべてが朝鮮半島には存在する。ハンドウイルカと共存してきたヘニョと呼ばれる海女や、森でオオタカと信頼関係を築く鷹匠など、はるか昔から自然との調和の中で生活してきた人々と、多様性に富んだ生息地に暮らす個性的な生き物たちに迫る。
朝鮮半島を韓国と北朝鮮に分断する非武装地帯(DMZ)では、休戦から70年近くたつ今も緊張状態が続く。しかし、延々と続くフェンスと膨大な数の地雷の間は、人間に干渉されない野生生物の楽園となった。戦闘により荒廃した土地に再び命が芽吹き、今ではイノシシや野生のミツバチや世界でも希少な鳥など、多種多様な生き物たちが、調和の中で生きている。紛争の歴史を凌駕するほど力強い自然の回復力から人間は何を学べるのか。