モンゴルの南部を覆い、拡大を続けるゴビ砂漠。雨はほとんど降らず、寒暖差が激しい過酷な土地だが、ここにも様々な野生動物が住んでいる。世界でも珍しい野生のフタコブラクダや、時速50キロで砂漠を駆け抜けるコウジョウセンガゼル、立派な角を持つヒマラヤアイベックスなど、この地を代表するたくましい生き物たちのほか、夜行性のオオミミトビネズミやオオミミハリネズミなど、めったに見られない希少な動物たちを紹介する。
モンゴルのステップは、北の針葉樹林と南のゴビ砂漠に挟まれた広大な草原地帯だ。平原を駆けるモウコノウマやサイガなどの珍しい動物もいれば、草の間でひっそりと暮らすカヤネズミなどの小動物もいる。ヤクのように家畜として定着した動物や、絶滅危惧種の再導入など、人間との関わりも見過ごせない。劇的な季節の変化と激しい寒暖差、自然災害、草地の減少など、過酷な環境と困難を生き抜くたくましい動物たちの姿を追う。
モンゴルの西側の国境を成すアルタイ山脈。大陸の衝突によって生まれたこの山は、苛酷な気候により常に侵食されている。落石が頻繁に起きる斜面では、野生のヒツジ、アルガリのオスが巨大な角をぶつけ合う。一方、希少動物のユキヒョウは、岩陰にひっそりと身を隠して暮らす。春になると山のふもとには豊かな草原が現れ、ノビタキなどの鳥たちが越冬地から帰ってくる。厳しい環境に適応し、たくましく生きる野生動物の姿に迫る。