スバールバル諸島を初めとする北極海に浮かぶ島々で、極寒の環境に適応して暮らす生き物たちを紹介する。闇と氷に閉ざされた長い冬が終わると、ホッキョクグマは周囲にカムフラージュする体を生かし、解けゆく海氷にとどまりながら獲物を捜す。渡り鳥の大群は、北極海の短い夏の恵みを求め、島々の海岸にそびえる断崖絶壁に巨大なコロニーを形成する。またドクガの幼虫は、サナギになるまで何度も凍結と解凍を繰り返す。
地球の北部を一周するように無数の針葉樹林が広がる北方林。冬は大量の雪が降り積もり、一見すると生命の痕跡もない。だが雪の下には、果敢に狩りをする小動物の姿がある。夏になると、雪がとけた北方林ではさまざまな生き物たちが活動を始める。ヒグマはパートナーを探し、ヤマアリは高度に進化した巣で子育てにいそしむ。アラスカの北方林にはハチドリがたどり着き、フィンランドでは魅惑的な食虫植物がワナを仕掛ける。
アジア、ヨーロッパ、米国にまたがり、地球の北の果てに広がる北極ツンドラ。その厳しい寒さと極端な季節の変化に適応して生きるたくましい生き物たちがいる。夏、大地は雪解け水であふれ、冬を生き抜いた強者たちにつかの間の恵みをもたらす。一方、極寒に適応したジャコウウシは暑さにあえぎながら、またホッキョクグマは岸辺で虫を漁りながら、冬の訪れを待つ。しかし近年は温暖化が進み、ツンドラが消失しつつあるという。