豊かな水があり、暖かく、日光に恵まれた場所、密林。地球上で最も多様な生き物が暮らす環境のひとつだ。ジャガーやテナガザル、ハチドリからオランウータンまで、たくさんの動物たちを見ることができ、一見すると野生の楽園のようだ。ところが今、危機が迫っている。環境の急激な変化によって、動物たちは生き残るための闘いを強いられているのだ。過酷な環境に適応したものだけがここでの生存を許される。
季節によって環境が激変する大地、草原。そこでは動物たちが洪水、干ばつ、吹雪、山火事といった過酷な条件を乗り越えて生き延びなければならない。さらに近年では気候の変動によって動物たちが生き抜くことは以前に増して厳しくなっている。オオカミとバイソンの壮絶な戦いや、チーターに狙われた生後間もないトムソンガゼルの運命など、地球上で最も劇的な大自然の中で繰り広げられる生と死の壮大な物語を紹介する。
地球上で最も寒い極地では、たくましい動物たちが究極のサバイバルを繰り広げている。南極大陸ではコウテイペンギンが寒風吹きすさぶ氷上でヒナを育て、ジェンツーペンギンがヒョウアザラシの攻撃をかわす。北極圏ではホッキョクグマがシロイルカを狩り、オオカミの群れがジャコウウシを狙う。しかし今、極地の環境は気候変動によって急激に変わりつつある。厳寒の地で進化してきた動物たちは、新たな変化に適応できるのだろうか。
荒涼とした灼熱の地、砂漠。近年ますます気温が上昇し、乾燥が進んでいると言う。一見、生き物とは無縁の場所に見えるが、そんな過酷な環境にも適応し、たくましく生きる動物たちがいる。海岸に出てオットセイを狙うハイエナや仲間と協力して困難を乗り切るミーアキャット、そして砂の下で暑さをしのぐクモ。太陽が高く昇るにつれ厳しさを増す暑さに動物たちはどう対処しているのだろうか。砂漠に暮らす動物たちの1日を追う。
地球の表面の約7割を占める海。そこは地球上で最も多様な生息環境である。知られざる深海から豊かな沿岸の海、孤独な外洋から賑やかなサンゴ礁まで、生き物たちはそれぞれの環境に適応し、進化を続けている。サメから集団で身を守るオットセイや、命がけで産卵に挑むヒメウミガメ、荒廃した海に住み着くクラゲ、優れた知能で狩りを成功させるシャチなど、地球温暖化の影響で変わりゆく環境の中、たくましく生きる海の生物を紹介する。
山地には、厳しい気候や希薄な空気に耐える屈強な動物たちがいる。乏しい食料を確保するため、ユキヒョウは急峻な谷で獲物を狩り、イヌワシは数千メートルの峰々を飛び回り、ゲラダヒヒは集団で山を登る。また、カオジロガンは天敵を避けて断崖の上に巣を作り、シロイワヤギの親子は生きるために増水した川を渡る。めったに見られない山岳動物の生態を新たな技術とカメラワークでとらえた迫力の映像が見どころだ。