寒流のベンゲラ海流と暖流のアガラス海流がぶつかるケープ半島の岬。その周辺ではペンギンが繁殖し、ミナミアフリカオットセイの子供は母親が狩りに出かける間、熱射病にかかったり、海に入って低体温症になったりする。海上ではオットセイが、飛ぶ練習中の幼いケープシロカツオドリを捕らえる。ケープドワーフカメレオンは生き残るため、孵化させてから子を産むという巧妙な方法を取った。植物も独特で自然の驚異にあふれている。
南アフリカの東部にはマングローブや沼地があり、トビハゼやナイルワニには理想的な環境であるが、ワニの卵はアフリカンロックモニターに狙われている。内陸の草原には動物王国の有名人たるゾウやチーター、ライオンが生息している。南アフリカ最大の両生類、アフリカウシガエルは身を挺してオタマジャクシを守り、ゾウは家族に頼れるという強みがある。藪に隠れる動物もいるので、草原地帯の捕食者にとって狩りは運任せの勝負だ。
南アフリカの半砂漠とサバンナでは賢明な者しか生き残れない。サーバルは草木に潜んで長い脚と聴力を生かして完璧なハンターとなり、風変わりなセンザンコウはフンの臭いに引き寄せられる。太陽から身を守り、水分を確保する方法を見つけなければならないのは人間も同じだ。サン族は忍耐強くゲムズボックを追いつめて仕留める。乾燥したナマクワランドに雨が降って鮮やかな花の絨毯が一気に広がった。ここは砂漠が咲く場所なのだ。