グランドキャニオンは宇宙からでも見える数少ない地形であり、世界遺産ともなった、アメリカで最も人気のある国立公園だ。しかしここを訪れた者が割れ目の端から見るものは、岩や川、野生生物の一部に過ぎず、本当の美しさは隠れている。科学者でさえ、この峡谷の野生生物や植生を把握しきれず、峡谷がいつ、どのように形成されたのかも分かっていない。科学者の冒険に同行し、全長446キロに及ぶ峡谷を探索し、謎の解明に挑む。
デスバレー国立公園は極端な土地だ。アメリカで最も乾燥する場所であり、西半球で最も海抜が低く、地球で最も暑い場所として記録されたこともある。生きていけない大地の割れ目に見えるが、生物が繁栄している。1000種を超える植物が自生し、地球上の他のどこでもなく、ここに棲む動物がいる。公園の管理人と共にデスバレーの最高地点から最低地点まで旅をし、気温が上昇する中、この土地の保護に取り組む科学者たちに出会う。
キャニオンランズはアメリカの国立公園の宝だ。1400平方キロメートルに広がる景観には、砂漠や槍の穂先のような峰、高い台地、壮大な峡谷が見られる。しかし絵になるというより、歴史書と呼ぶほうがふさわしい。物語は土地を創り上げた地質の力から始まって、生命の誕生、古代人、開拓時代のカウボーイへと続いてきた。キャニオンランズに生物がいないと思うなら、よく見たほうがいい。予想もしなかった場所に命は息づいている。
北西ハワイ諸島を擁するパパハナウモクアケア海洋ナショナル・モニュメントは貴重な地域であることから、2006年にナショナル・モニュメントに指定された。太平洋に浮かぶ海洋保護区はアメリカ国内の全ての国立公園の面積を足しても、なお広く、知られていない場所が多くある。どんな生き物が生息しているのか?保護するためには何をするべきか?アメリカ海洋大気庁によって、1ヶ月にわたる科学的な調査が行われた。
アパラチアントレイル(AT)の大半は人の住む地域から近い。では、どのようにして自然を残しているのだろうか? 南から北へ向かって歩みを進め、トレイル周辺の自然を野生のまま保存するべく奮闘している科学者たちに会う。山道は苦しいが、すばらしい眺めを味わえる。数億年前に造られた山が歓迎してくれるはずだ。ATを地形をもとに4つに分けて全区間を500万歩で歩き通し、安全と自然を保つには何をするべきかを知る。
モンタナ州北部に位置するグレーシャー国立公園は驚くべき自然環境である。毎年、数百万人の観光客が700もの湖、湿地や尖った山頂、数百の滝に引かれて押し寄せる。何より魅せられるのは氷山だ。生物多様性に富み、クズリからハイイログマまで2000種を超える動植物が生息する。大陸を分断するような尾根、すなわち大陸分水嶺をまたぐ生態系は氷から解け出た水に頼ってきた。しかし温暖化の影響で、長くは続かないかもしれない。